嫌われる勇気 第1話 あらすじ・レビュー

刑事の庵堂蘭子（香里奈）が所属する捜査一課に新人刑事が配属された。

蘭子は、係長の半田陽介（升毅）に命じられ、その新人刑事・青山年雄（加藤シゲアキ）と組んでモデル殺害事件に加わることになる。

青山が、携帯電話を持たない主義の蘭子を探し出したその時、青山の携帯が鳴り、第二の殺人が起きたと知らされる。

蘭子は青山の携帯を取り上げ情報を得ると現場へ急行した。

2人目の被害者もモデルだった。

現場に到着した蘭子に、刑事の浦部義孝（丸山智己）は周辺の聞き込みをするよう指示するが、蘭子はそれには耳を貸さず、遺体を調べ始めた。

それだけでなく、遺体を見た帝都大学医学部助教の相馬めい子（相楽樹）の見解を安易な妄想だと一蹴する。

捜査会議が行われる中、蘭子はそれには加わらずパソコンに向かっていた。

自分勝手な蘭子にうんざりした青山が半田に相談すると、別の任務を与えられた。

青山が訪れたのは帝都大学の研究室。

そこには警視庁のコンサルタントも務める教授の大文字哲人（椎名桔平）がいた。

蘭子の下に配属されたという青山に、蘭子を理解するには「アドラー心理学」を知る必要があると告げる。

----- 1999年 -----

ボーイスカウトの女の子たちが列を作り、楽しそうに森の中を歩いている。先頭にいるのは幼い頃の庵堂蘭子（桜田ひより）。

森の中に咲くユリに目を奪われた蘭子がその花に近づき、触ろうとした時、背後から誰かが近づいてきて彼女に黒い布をかぶせた。

----- 2017年（現代）-----

警視庁捜査一課8係に配属された青山（加藤シゲアキ）は、係長の半田（升毅）から、庵堂蘭子（香里奈）と組んで、人気モデル・赤塚留美殺害事件に加わるよう命じられた。

赤塚留美は、スタンガンで気絶させられたあと、胸を刃物で刺されていた。遺体の周りにはクッションの羽が飛び散っており、現場には女性ものの靴と思われる足跡が残されていた。

青山は、支給された携帯を普段持ち歩いていない蘭子をやっとのことで探し出し合流する。

そこに新たな殺害事件が起きたという電話が入る。

2番目の被害者は最初の被害者と同じ雑誌で活躍していたモデルだ。殺害方法も同じで、遺体の周りにはバラの花びらが散乱していた。

どちらの被害者も、殺害現場の状況が雑誌の撮影画像と似ていたため、最近ページ数を減らされていた同僚のモデル・天野真紀（南野陽子）が容疑者として浮上した。

捜査の途中、蘭子は、天野真紀が主催するコンブチャ教室に入っていき入会した。

自分勝手な蘭子の行動に青山はただ頭を抱えるばかり。

蘭子と組むことの不満を半田に訴えた青山は、新たな任務を言い渡され、帝都大学文学部心理学科の教授・大文字哲人（椎名桔平）を訪ねた。

大文字は、犯罪心理学が専門で、警視庁に犯人像に関する情報を提供している特別コンサルタントでもある。

大文字は蘭子の下に配属されたという青山に、蘭子を理解するには「アドラー心理学」を知る必要があると告げる。

大文字は「すべての人間は主観の中で生きている、自分の味方を変えることで世界も変わる」と大文字は言う。そして「嫌われる勇気が必要だ」と助言する。

自分勝手な蘭子に対し、青山は、うまくやっていくためにもっと周囲のいうことにも耳を傾けてほしいと言うが「誰かのために生きているわけじゃない」と一蹴される。

そんな中、2軒目の殺害現場から、アセトパクターキシリナムの菌が見つかったと科捜研から連絡が入った。

その菌は紅茶キノコの培養に使うための菌だ。犯人と争った時に付着した可能性が高いということから、天野真紀の容疑者説が有力になった。

蘭子たちが天野真紀の教室を訪ねると、すでに天野真紀は死んでいた。服毒自殺と判断されるが、蘭子はそれを強く否定する。

コンブチャ教室に通っていた生徒たちは被害者の会を結成し、記者会見を行っていた。

その頃、過去に天野真紀にストーカー行為を行って逮捕されていた男がいたことが判明する。

その男・坪内は、天野真紀殺害やほかのモデル殺害も認めた。

だが蘭子は、坪内が殺したのは天野真紀だけで、最初の2件の殺害事件の犯人は別にいると主張。

蘭子は証拠を探すため、改めて第一、第二の殺害現場を訪れた。

コンブチャ教室の生徒だった彩子（石田ひかり）は、天野真紀の遺族に対し、民事訴訟を起こし、みんなのお金を必ず取り戻すとほかの生徒に告げる。

そこに蘭子がやってくる。自分の素性を明かした蘭子は、彩子の言動を探るために教室に入会したと話した。

その上で、彩子が2人のモデルを殺害した犯人だと口にした。

最近の天野真紀は、モデルとして落ち目だった。

彩子は自分の優越感を満たすためも、自分が特別であるためにも、天野真紀には特別な存在でいてほしいと考えていた。

編集部に、天野真紀のページ数を増やすよう脅迫文を送ったが、それを無視されたため、ライバルである二人のモデルを殺害した。

だがそのことで天野真紀が疑われ、マスコミに追われるようになり、その権威は失墜してしまった。

そこで彩子は、自分の不幸を武器として特別になろうとした。天野真紀を悪者にして自分が特別な存在であろうとした。

坪内を利用し、天野真紀を殺すようおぜん立てをしたのだと、蘭子は説明したのだ。

その上で、第一の殺害現場にばらまかれた羽の中から、コートのファーが見つかったこと。それに付着していたDNAが彩子のものと一致したことを告げた。

彩子は自分の犯行だと認め、事件は解決した。

蘭子は森の中に来ていた。幼い頃に来た森だ。そこに大文字もやってくる。

「あの誘拐事件からもう18年か。」という大文字に「ここは私にとって始まりの場所です。」と蘭子は答えた。