嘘の戦争 最終話 あらすじ・レビュー

浩一（草彅剛）は、興三（市村正親）が30年前の事件について語ったテープを公開しない代わり、記者会見を開いて謝罪をするように要求していた。

実際に会見は開かれたが、興三が話したのは事件のことではなく、粉飾決裁をしていたことで浩一に脅迫されたという内容だった。

怒った浩一はテープを公表しようとするが、データは全てユウジ（マギー）とカズキ（菊池風磨）に消されていた。

その上、警察から追われる身となってしまう。

二科家にも仲間にも裏切られた浩一は、興三への復讐をまだあきらめていなかった。

隆（藤木直人）に連絡をし、30年前のOL殺人事件を隠蔽した事実と証人が見つかったと話した。

詐欺師らしいやり方で30年前のことを終わらせると、浩一は不敵な笑みを浮かべる。

ハルカ（水原希子）と守（大杉漣）は、そんな浩一のことを心配そうに見つめていた。

次に浩一が仕掛ける罠とは何なのか？

詐欺の証拠をつかまれた浩一（草彅剛）は、警察から追われる身となった。

ユウジ（マギー）とカズキ（菊池風磨）の裏切りで、大事な証拠となる録音テープも失ってしまった浩一は、守（大杉漣）を訪ねる。

浩一の父が守に預けた、OL殺人事件の証拠を持っているか確認すると、守はまだ持っていると答えた。

解剖所見だけだと証拠として弱いと考えた浩一は、確実な証拠を持っていると思わせればいいと考える。

協力を申し出る守に、相手は危険な連中だからと浩一は遠慮するが、守は自分のためにも協力したいと言う。

子供たちに被害が及ばないよう、ほかの園で預かってもらうようにすると守は言った。

浩一は早速、隆（藤木直人）に連絡を取り、別の証拠を見つけたと告げる。

父親の友人が証言もしてくれると話し、録音した守の言葉を電話口で聞かせた。

隆は興三（市村正親）にそのことを伝え、友人という人物に心当たりがあると話し、自分が会いに行くと告げる。

六車（神保悟志）には手を出させないようにと釘を刺した。

だが興三は、隆が部屋を出ると同時に、秘書の七尾（姜暢雄）に「始末させろ」と命じた。

浩一はハルカ（水原希子）に、興三の一番大事なもの、楓（山本美月）を奪うと話した。

「宮森わかばの家」にいた守が六車に監禁された。縄で縛りつけられ動けない。

隆が守にアポを取ろうとするが連絡が取れない。

スケジュールを確認していると、社員が入ってきて、カズキが映っている監視カメラを見せられた。

支援ロボットのデータを盗まれたかもしれないという。隆はそれも浩一の仕業だと考える。

浩一はカズキを見つけ、データを消したことを責める。

カズキは反対したが、設計データは金になるとユウジがそそのかしたらしい。ユウジは、浩一にも分け前を渡すと話していたようだ。

浩一はそこで初めて、二人がデータを盗んだことを知る。浩一は、金は要らないから協力しろと迫った。

ユウジは、張り込んで浩一を逮捕しようとしている刑事に、浩一の居場所を教えた。

浩一は園に向かう。だが中には入らず、時間を気にしていた。

守が六車に、浩一に手を出したら証拠のありかは言えないと話すと、事実を知っている人間を消せばいい話だと六車は言う。

そこに誰かが入ってくる気配がした。「助けてくれ！僕はここだ！」守が叫び、気配がした方に六車が銃を向ける。

六車は浩一だと思って発砲するが、それは浩一ではなく刑事だった。六車は捕まった。

その様子を見ていた浩一は「うまく誘導してくれてありがとうございました。六車、処理出来ました」とユウジに電話を入れた。

パトカーを見送った守は浩一を探す。

守と目が合った浩一は、深々と頭を下げて去って行った。

浩一がデータを盗ませたと勘違いしている隆は、浩一を捕まえ、二科家は何をされても文句は言えないが会社は違うと怒りを露わにした。

「復讐は別の悲劇と憎しみを生むだけだ。それがお前の望みか？！」そう迫る隆に、「俺の望みは会長の謝罪と絶望。そして父の名誉の回復だ」と言い放つ。

父が本当は被害者だったことを証明して会長に謝らせたいというが、隆は、興三は謝るような人ではないと言う。

浩一は、興三が謝罪をしたらデータを返すと隆に約束し、明日の夕方迎えをやるから、その車に興三と隆だけが乗るよう指示した。

晃（安田顕）は浩一に電話をし、「これ以上会社や楓を傷つけるな。やるなら俺を殺せよ！」と留守電にメッセージを残した。

「俺が何とかしなきゃ。俺がやらなきゃ」そうつぶやきながら歩く晃を浩一が見ていた。

浩一は楓に会いに行き、今夜で全部終わりにするからあとで少し時間をくれないかと言った。

人を憎み続けるのは疲れるからもう終わりにしたいと話し、全てが終わったら二科家の前から姿を消すと伝えた。

「私たちももう会わないってこと？」と楓は寂しそうに口にする。

そして「私も嘘つきだね。浩一さんに何があっても許す、受け入れると言ったのに…」と涙を流した。

浩一は「それは嘘とは言わない。あれだけ騙したんだぞ？許すなんて言われたらこっちが困る。怒って憎んでくれた方がずっと楽だ」と伝えた。

浩一は涙を流し続ける楓に近づき、頭をなでて「ごめんな」と謝った。

浩一はエスカレーターですれ違ったハルカに「あとはよろしく」と囁いた。

カズキが興三と隆を迎えに行った。スマホも渡すよう命じる。

二人を乗せた車が出発するのを晃が陰から見ていた。

車が到着したのは海辺にある別荘らしき建物の前。中に入ると、そこにはカメラが設置してあった。

謝罪の様子をネットで生中継すると浩一が言う。マスコミにも連絡済みだった。

30年前の真実を話して家族に謝れと浩一が迫る。だが興三は要求には従えないと言い張る。

浩一がモニターをつけると、ロープで縛られている楓が映し出された。

窓から見える小屋にいるとわかった隆が助けに行こうとするが、そこまで30分はかかると浩一が伝える。

小屋には爆弾が仕掛けてあり、スイッチを押せば一瞬で燃え上がると浩一は二人に話した。

モニター越しに楓が話しかける。30年前のことを謝ってほしいと訴える。

興三は謝罪を決意する。配信がスタートした。

興三は30年前の事件について話し始める。その事実にマスコミも騒然となるが、興三は、全ては部下が勝手にやったことだと言い、自分が首謀者だとは認めなかった。

浩一の父のことについても、正義感だけでこちらの要求に応じなかったのではなく、本当はもっと金が欲しかったのではないかとまで言い出した。

浩一は持っているスイッチを取り出した。「殺さないって約束したよね？！やめて！浩一！」とハルカが叫ぶ。

浩一はハルカにその場から離れるように指示するが、ハルカは小屋に近づき、カギを開けようとする。でも開かない。

「誰かやめさせて！浩一本気だよ！楓さんが死んじゃう！」とカメラに向かってハルカが叫んだ。

浩一が涙を流したままニヤッと笑い、スイッチを押そうとした瞬間、興三が叫んだ。

「やめろ！やめてくれ！わかった。全部認める。」そう言って土下座をして謝った。

「今更遅いよ。俺、お前みたいな嘘つきが大嫌いなんだ」浩一はそう言うと、スイッチを押した。

その瞬間、小屋が爆発した。一瞬にして火に飲み込まれた。

「ひどいよ！浩一！何で殺すの！何でよ！」ハルカが泣き崩れる。

燃えていく小屋を見ながら楓の名前を叫び涙を流す興三に「あんたが殺したんだ。あんたは俺に同じことをしたんだ。大切な人を目の前で奪い、手も足も出ない。何度も夢に見て、今度こそ助けようとするのに助けられない。」浩一はそう語った。

浩一は泣き叫ぶ興三に近づき「これが俺が30年前に味わった地獄だよ」と告げて部屋から出て行った。

あとを追いかけ浩一に掴みかかってきた隆に、楓が無事だと伝える。

興三と隆が見ていた映像は1時間前に撮ったもので、小屋の中には誰もいなかったと話した。

時間を見ながら会話をし、爆発した瞬間、事前に作っていた映像とすり替えたのだ。

浩一は楓に電話をし、隆と話をさせた。

興三の絶望を見るためにここまで大がかりなことまでする浩一に、隆は驚いた。

二人が話していると数台のパトカーがやってきた。

「約束破ったのか？」と浩一が隆に尋ねると「いや、俺じゃ…」と隆が否定する。

浩一は急いでその場から逃げた。

浩一が岸壁に追い詰められた時、晃が浩一に近づき腹部を刺した。

浩一の手には血がべったりついていた。そしてそのまま、後ろの海へ落ちて行った。

刑事たちが海をのぞき込むが姿は見えない。晃はその場で逮捕された。

連行される際、隆に「俺が片を付けるしかないんだ」と晃は言った。

1週間後。隆は楓と二人で、晃の面会へ行った。

浩一がまだ発見されていないと伝え、ため息をつきながら隆が言う。

「いつから組んでた？あいつと。この嘘つきが。」その言葉を聞いた晃がニヤける。

浩一は街中で晃に声をかけ、「俺を殺してくれないか？」と今回の協力を頼んだ。

「腹に雑誌を仕込んでおくから、刺した際に、血のりを渡してほしい。それで死んだように見せかける」と浩一が話し、晃はそれを実行したのだ。

二人の話がよくわからない楓が「どういうこと？何の話？」と聞くと、隆は刑務官を気にしながら小声で、浩一が生きていることを楓に告げた。晃も楓を見て笑顔で頷いた。

「このままあいつが見つからなかったら刑務所行きだぞ」と言う隆に、「だって俺、30年前の罪、償ってないから。嘘で消された罪はもう償えない。だから今度は、嘘の罪で罰を…」晃はそう言った。

安全になったら、浩一から警察に「生きてる」と連絡をする手はずになっていると話す晃に、隆は呆れながら「信じてるのか？そんなこと」と聞く。

楓が「大丈夫じゃないかな。約束守ってくれる気がする。」と言うと、晃も「だよな。俺もそう思う。」と笑った。

興三はマスコミに囲まれて、30年前の事件について聞かれるが何も知らないと答えていた。

ユウジは、ニシナコーポレーションから奪ったデータを外国の企業に売りつけようとしていた。だがそれはすり替えられた偽物だった。

浩一に会うために「宮森わかばの家」を訪れたハルカは、浩一が自分に何も言わず姿を消したことを知り、ショックを受ける。

浩一は空港にいた。そこに隆がやってきた。

「まさか死人から連絡を貰えるとはな」浩一は隆にデータを渡し、どこにもデータは流していないと話した。

去っていこうとする浩一に「そうやってつき続けるのか？嫌いな嘘をずっと…」と隆が尋ねる。

「嘘のない奴なんていない。でも嘘もつき続ければ一つくらいは本物になるかもな。一ノ瀬浩一は死んだ。復讐にとらわれた男は消えて、別の人間になれるかも。だから俺はつき続ける。嘘が嘘じゃなくなるその日まで。」と浩一は言った。

ユウジがバーでデータの件で愚痴っている。ハルカは浩一の行先を気にしていた。するとオウムが話し出した。

「ジゴクニオチロ～。」そのあとの「チャオプラヤー。」という言葉を聞いたハルカの顔がほころぶ。

タイにある川の名前だった。

それが浩一からハルカへのメッセージだとわかったハルカは、タイに戻って浩一を探すと言い、バーを出て行った。