嘘の戦争 第5話 あらすじ・レビュー

30年前の事件に関わっていた人物に次々復讐を果たしていく浩一（草彅剛）は、ついに興三（市村正親）への復讐を開始。

30年前の犯行について告白した録音テープが存在すると知った興三は、そのテープを消すために、新たな悪事に手を染めようとする。

隆（藤木直人）は何とかそれを阻止するため、自分でテープを探し始める。

浩一と千葉陽一の関係を確かめるため、バー800へ行き、浩一に直接「千葉陽一」のことについて尋ねる。

浩一は、30年前に起きたOL殺しの主犯が、今は大手銀行に勤めている九島亨（平岳大）だと突き止める。

九島の亡き父は、銀行の副頭取で30年前、興三に多額の融資をしている。

その融資が、浩一の家族を殺したことへの見返りだと気付き、九島と彼の愛人・五十川芙美（真飛聖）に近づく。

ハルカ（水原希子）と共に、パイロットとCAに扮し、二人の前に現れる。

楓（山本美月）は、興三との間に確執があることを浩一に打ち明ける。

どうしても興三に会いたい浩一は、楓を優しく諭す。

それで心を動かされた楓は興三に会いに行くのだが…。

浩一（草彅剛）の次のターゲットは、30年前のOL殺しの主犯・九島亨（平岳大）だ。

銀行の元副頭取をしていた九島の父親は既に亡くなっているが、30年前、興三（市村正親）に多額の融資をしていた。

浩一はそれこそが一家殺害の報酬だと考えていた。

亨は帝都中央銀行の次長で、上司の娘と結婚してり、同じ職場の五十川芙美（真飛聖）とは愛人関係にある。

亨の銀行内の評判は最悪だった。上の人間には腰が低く、下の人間には威圧的。人を見かけや持ち物で判断する。

浩一はそういう人物こそ、だましやすいという。

浩一はハルカ（水原希子）と一緒に、パイロットとCAに扮し、亨と芙美に近づく。

亨が芙美と訪れたホテルで、機長の制服に身を包んだ浩一が亨にぶつかった。その拍子に浩一が持っていたワインが床に落ち、割れてしまう。

制服で自分よりも格上の人間だと瞬時に判断した亨は、最初から低姿勢だった。

弁償すると言ってお金を渡そうとする亨の申し出を浩一は断り、飲みに誘った。

浩一は“一条”と名乗り、ハルカは“ハルミ”と名乗った。

その後、4人は一緒に飲み、浩一は亨を褒めながらいい気分にさせていく。

亨は若くてスタイルが良いハルカに魅力を感じているようだ。それに気づいた芙美は、途中で部屋へ戻ると言い、席を立った。

ハルカは芙美を追いかけ、二人は部屋で飲みなおすことに。

そこでハルカは、1年契約の社員であること、浩一が自分との将来を考えてくれているかわからず不安だと話した。

これに親近感を覚えたのか、芙美も自分の身の上話を始めた。そして芙美が亨の弱みを握っているということが判明する。

亨について知ってることを全て話したら大変なことになると芙美は言った。

ある日、隆（藤木直人）がバー800にやってきた。

浩一に、千葉陽一を知っているかと尋ねるが、浩一はとぼけて答えなかった。

そこにハルカがやってきた。一瞬驚いた顔を見せるが、ハルカは常連客のフリをして誤魔化した。

隆はハルカの顔に見覚えがあったが、どこで会ったのかまでは思い出せずにいた。

ハルカから亨に、投資の相談がしたいと連絡が入る。

ハルカを魅力的な女性だと感じ、興味を持っている亨はニヤける。

その日の夜、二人きりで会った。

楓（山本美月）から呼び出された浩一は、興三と長年確執があると打ち明けられる。

楓が学生時代に仲良くしていた友人の実家が工場をしていて、ニシナコーポレーションからの仕事もしていた。

ニシナコーポレーションからの無茶な発注が原因で経営状態が悪化したのに、興三はあっさり切り捨てたのだという。

その一家は夜逃げし、一家心中したという噂を耳にしたと楓は話した。

「許せる？浩一さんなら」どうしても興三を許せないと話す楓に浩一は、怒りをずっと抱えているのは苦しいだけ。忘れられるものなら忘れるし、許せるものなら許したいと言った。

浩一にも許せない人物がいるのではないかと楓は感じるが深く問い詰めることはしなかった。

家族をまた一つにするためには、楓も動かなきゃいけないんじゃないかと浩一は諭した。

浩一は、亨を訪ね、知人から預かった大事なものを、フライトがある自分の代わりに届けてほしいと頼む。

自分のオフィスに戻った浩一は、部屋に誰かが侵入し、盗聴器を仕掛けたことに気付く。

興三は隆を呼び出し、六車を呼んだと告げた。

興三の秘書の七尾が、浩一のオフィスに盗聴器を仕掛けたがおかしな動きはないと報告した。

隆は、これ以上この件に関わるなと興三から釘を刺される。

楓は自宅を訪れ、興三に「会ってほしい人がいる」と話した。

仕事を終え銀行を出た芙美は、亨とハルカが二人で歩いていくところを見かける。

そこに現れた浩一も、彼女をとられた男を演じ、落ち込んで見せた。

亨が自分と別れることなどないという芙美の自信を浩一が揺るがす。

「銀行をやめて、一からやり直したい。ハルカと一緒になれるなら離婚する」と亨が言ったと嘘を吹き込んだ。

そんなこと言うはずがないと、最初は否定していたが、芙美はどんどん亨への怒りを募らせていく。

浩一は晃（安田顕）から呼び出され、礼を言われる。

何年も父親とまともに話をしなかった楓が父親と話をする気になったのは浩一のおかげだと感謝した。

二人はその後、浩一のオフィスに場所を変え、朝まで飲んだ。

友達が少ないとお互いが話していると、晃が野球チームを作ろうと言い出す。

一緒に野球をして、その帰りに飲みながらくだらない話をするのだと晃が言うと浩一も「それ結構楽しそう」と笑顔で話した。

浩一から預かった品物を届けようとホテルを訪れた亨は、麻薬取締部の捜査員に扮したユウジ（マギー）から呼び止められる。

ここで取引があるという情報があったとユウジは話し、小さなジュラルミンケースの中身を見せてほしいと言い出す。

亨はあっさりそのケースを渡すが、ユウジが中身を確認する際に、小さな小袋に入った白い粉を忍ばせた。

「これは何ですか？」とユウジに聞かれ、亨は慌てる。

一条に預かっただけだと話すと、ユウジはカズキ（菊池風磨）に確認するよう指示。

カズキが戻ってきて、日本ルミナス航空の機長に一条という名前の者はいないと伝えた。すると、九島はその場から逃走した。

逃げている途中、浩一から電話がかかってくる。

警察へ行くという亨に、警察へ行ったら殺されるぞと脅す。

電話を切った浩一は1枚の画像を送り付けた。血を流して倒れている女性の写真だった。

銀行にハルカが訪ねてきた。

自分も騙されていたと泣きながら話すハルカに、警察へ行こうと亨は言うが、ハルカは強くそれを拒否し、亨に送られてきたものと同じ画像を見せた。

ハルカの先輩で、警察へ行くと言ってたのにこんな姿になった、絶対自殺なんかじゃないとハルカは怯えて見せた。

そして、一緒に国外に逃げてほしいと亨に頼む。

最初は戸惑っていたが、隠していた資金を取ってくるから安全なところへいるようにとハルカに指示をし「芙美とは別れる。君と一緒に一からやり直す」と話した。

それを芙美が聞いていた。

芙美はすぐ浩一に連絡を取った。

亨は妻の経営するエステサロンに本来ならおりないはずの融資を何度も行っていた。

ほかにも不正を行っていて、その証拠は芙美が握っていたのだ。それを全て告発すると芙美は話した。

亨は別荘にお金を取りに行く。地下に隠していたお金を回収しようとしているところに、浩一もやってくる。

自分の身を守るために用意していた猟銃を浩一に突き付けられる亨。

亨は、30年前のOL殺人を隠蔽するため、何の関係もない家族が殺されたことを知っていた。父親から聞かされたという。全く反省の色は見られない。

そこで亨は、恨むなら二科親子を恨めと言い出した。晃は亨の大学の後輩で、女を連れて来いといわれて、OLをナンパしてきたのが晃だったのだ。

OLが亡くなった時も、晃は近くで見張りをしていたという。

興三は晃を守るために事件を隠蔽したのだと亨は話した。

浩一はその事実を知って涙を浮かべた。

亨には危害は加えず、お金もとらずその場をあとにした。

亨が別荘から出た時、声をかけられた。その時亨は手にしていた猟銃を発砲。亨に声をかけたのは警察だった。

このことで、業務上横領に加え、公務執行妨害、銃刀法違反まで加わり逮捕された。

隆は、興三の誕生日パーティの写真を見せるよう秘書に指示した。

その中から一枚の写真を見つけた。ハルカが五十嵐（甲本雅裕）と一緒にいる写真だった。

浩一は買ったばかりのグローブとボールで、壁当てをしていた。そこにハルカがやってくる。

ハルカに、復讐相手がもう一人見つかったと告げる。

誰なんだと聞かれた浩一は、辛そうな表情でグローブを見つめたあとそれを叩きつけて答えた。「二科晃だ」

楓が約束を取り付けてくれたことで、浩一はようやく興三に会うことが出来るようになった。

当日、隆も自宅にいた。隆は、楓と浩一の交際には反対だが、今日だけは客として迎えると興三に話した。

残るターゲットは興三と晃。

六車の暴力には頼りたくないが、浩一がなぜこの事件に関わっているのか、何を企んでいるのかを知りたいと隆は言う。