小さな巨人 第3話 あらすじ・レビュー

池沢菜穂（吉田羊）から風見京子（富永沙織）を殺した犯人について真相を聞き出せそうになっていたが、捜査一課に連れて行かれ、その挙句、菜穂は供述を覆し、全て自分がやったことだと証言した。

そのことで副所長の杉本（池田鉄洋）から小言を言われる。もう一度捜査をさせてほしいと香坂（長谷川博己）が頭を下げるが、所長の三笠（春風亭昇太）は、香坂の功績を労いながらも、あとの捜査は一課に任せるよう命じる。

山田（岡田将生）は小野田（香川照之）から叱責されていた。事件解決のためにはありとあらゆる手を使えと言われ、今後の捜査指揮は小野田が執ると言い渡される。

小野田は香坂のいる所轄に合同捜査本部を設置した。弁護士が接見したすぐあとに菜穂が供述を翻したことを由々しき問題だとし、何としても真実を突き止めろと小野田は発破をかけた。

自分たちのことを信頼してくれていると感じた中村（竜星涼）たちはヤル気になるが、小野田が誰も信用しない男だと知っている香坂は不審に思っていた。

最重要人物・隆一（加藤晴彦）には事件当日のアリバイがある。隆一がいたことをオーナーの山本アリサ（佐々木希）と店員の高瀬が証言している。

香坂はアリサの顔写真を見て、あることを思い出した。香坂が処分されることとなった一件の時、料亭で隆一といた女性だったのだ。

小野田は所轄に、防犯カメラのチェックを命じる。かなり広範囲に渡るが、それをチェックし終えるまでは、捜査会議にも出なくていいというのが小野田の指示だった。

香坂は、これは特別捜査という名の拘束だと言い、重要な捜査情報も一課だけで抱えるつもりなんだろうと話した。

そこに副所長の杉本がやってきて、捜査一課に欠員が出たため、所轄から一人捜査員を出してほしいと言われていると告げる。

杉本は中村にその役を命じる。捜査一課を目指している中村が喜んでいると、香坂がある頼みごとをした。

山田は捜査一課の情報を二課の松岡という刑事に見せ、二課からも何らかの情報を聞き出そうとしていた。

松岡は山田の資料に目を通すと、見なかったことにすると言って何の情報も教えず去って行った。

中村は一課の捜査会議で得た情報を香坂に伝える。今日は一課がアリサの店に事情を聴きに行く予定がないと知った香坂は、渡部と一緒に店を訪ねた。

聞き込みの範囲をあらかじめ聞いておけば一課と鉢合わせることもないと香坂は考えたのだ。

アリサの店の店員・高瀬は、夜中の12時に確かに隆一の姿を確認したと証言する。

香坂はアリサに頼まれて嘘の証言をしているのだと考える。だが、アリサが隆一のアリバイを偽装する理由がわからない。

店の外で張っていると、アリサがやってきた。渡部が事情を聴きに行こうとした時、副所長の杉本に呼び止められる。

本部の迷惑になるようなことだけはするなと釘を刺され、香坂たちはその場を後にした。

杉本はもうすぐ本部に戻ることになっているため、所轄に問題を起こされると困るのだろうと二人は考える。

掴んだ情報があるなら一課に報告すべきだという山田に対し、それは当然の義務だがそれには信頼関係が必要だと香坂は反論。

二度も裏切ったお前は信用できないというと、仕事は手柄の奪い合いだと山田は主張する。

周りとの信頼関係が大事だと香坂は諭すが、自分には必要ないと山田は突っぱねる。

それほど出世したいのならなぜわざわざノンキャリを選んだんだと尋ねる香坂に「あなたにはわからない！」と山田は声を荒げた。

自分が正しいと信じていたものが目の前で崩れ落ちて、それまで信用していた自分を許せないほどの怒りになったと話す山田。

そして、どうしても捜査一課長にならなければならないと言った。捜査一課長はキャリアにはなれない。だから山田はノンキャリを選んだのだ。自分なりの戦い方だと話した。

帰宅した香坂は、隆一と一緒にいた時にアリサが持っていた会社の封筒のことを思い出した。それはロンドン・リバー証券の封筒だった。

その封筒を目にした渡部も見たことがあると言い出す。隆一が同じ封筒を持っていたのだ。隆一がそれをアリサに渡したのだ。

その話を聞いた山田が、信頼関係などと言っておきながら一課を信用せずに裏切っていたのはあなたの方だと責める。

山田も何か知っていると感じた香坂は、手を組もうと持ち掛ける。手柄は渡すから、一課に報告するのはあとにしてほしいと頼んだ。

山田は、二課もアリサを追っていたと話した。

隆一が関わっていたインサイダー取引にロンドン・リバー証券も関わっていた。つまり、アリサも隆一のインサイダー取引に関わっていた可能性が高いということになる。

アリサを任意で聴取するため、香坂と山田がアリサの店を訪れると、そこにはすでに二課の藤倉（駿河太郎）がいて、アリサを署に連れて行こうとしていた。

自分たちしか知りえない情報がなぜ洩れているのか、香坂は疑問に思う。

二課はアリサに聴取をするが、穴を見つけることは出来なかった。もう一人の証言者は店を辞めたという。

勝手に動いていたことが署長や副署長にも知られてしまい、香坂は服務規程違反で処罰されるかもしれないという状況に追い込まれていた。

渡部は情報を漏らしたヤツがいると言い、このまま捜査をしていてもまた邪魔されるからと犯人捜しをしようとするが、自分たちがすべきことは捜査を続けることだと香坂がそれを止めた。

香坂は隆一のアリバイを崩す方法があると話し、協力を求めた。みんなが協力して監視カメラの映像の確認を再開した。

香坂は中村に、今回の件はいいアピールになるかもしれないと話す。努力が認めてもらえれば捜査一課に引き上げてもらえるかもしれないと言い、自分もそうだったと話した。

香坂のその言葉を中村は複雑そうな顔で聞いていた。

渡部がようやく証拠となる映像を見つけた。その画像には、隆一が店にいたと証言した高瀬がうつっていた。

香坂は店を訪れた際、高瀬が持っているゲームソフトを目にしていた。それは相当な人気商品で、発売時、長蛇の列が出来てすぐに売り切れた。今でも入手困難なのだ。

そのゲームソフトは、京子が亡くなった日の夜。日付が変わった午前0時から発売された。

高瀬は午前0時にアリサと隆一を見たと証言していたが、その時間、ゲームソフトを買うため行列に並んでいた。嘘の証言をしていたという証拠になる。

香坂は渡部に、その画像を解析にまわし、念のためにコピーを取っておくよう指示した。

中村は本部に戻って行った。

渡部は香坂に言われた通り、画像をコピーしに行った。コピーしている間、鍵をかけその場を離れた。

するとその間にある人物がその画像を持ち出した。

香坂は廊下で声をかける。盗み出したのは副署長の杉本だった。周りを香坂の部下たちが囲んでいる。

捜査に関わっていない自分が捜査情報を知ることは出来ないと杉本は反論し、この中に裏切者がいるのではないかと言い出した。

自分が情報を杉本に流していたと中村が認めた。

もうすぐ本部に戻ることになっていた杉本は、情報を手土産として差し出していた。捜査一課に中村を行かせたのも、そのためだったのだ。

杉本は、中村が盗んだと言い逃れを始めたが、機材室には監視カメラが仕込まれていた。

中村はみんなに頭を下げる。だが、渡部は、上司に報告しただけでお前は悪くないと声をかけた。

アリサのアリバイ偽証の証拠を手に入れた香坂は、取り調べさせてほしいと署長に直訴し、小野田の了承も得るため電話を入れる。小野田は了承する。

小野田は香坂との電話を切るとどこかへ電話をかけ始めた。

香坂たちがアリサの店へ行くと、既にアリサは姿を消していた。またもや漏れるはずのない情報が漏れてしまった。

山田は、警察内部に中田隆一との内通者がいたのだと指摘。

山田がアリサの口座情報を入手した。そこには、小野田の妻の名前が記されていた。

その頃、小野田は中田和正（桂文枝）、隆一と会っていた。

中田はお礼を述べ、小野田の妻の誕生日プレゼントとして自宅に花を贈ったと伝えた。

香坂は1か月前のことを思い出していた。あの日、小野田は香坂に会いに来たと言っていたが、本当は隆一とアリサに会おうとしていたのではないか。

隆一の飲酒の件を香坂が調べていたら、小野田とのつながりが明るみになる。だから、香坂を左遷させたのではないか。

もしそうなら小野田は犯罪に手を貸したということだ。