小さな巨人 第2話 あらすじ・レビュー

無事保護されたゴーンバンク社社長・中田和正（桂文枝）は、息子の隆一（加藤晴彦）と共に記者会見を開いた。その後、新事業発表会にも出席している。

中田は、誘拐犯に屈しなかったと英雄扱いされ、毒物を飲んで意識不明の状態にある風見康夫は、5億円の身代金目的の凶悪犯罪者として非難を浴びていた。

ゴーンバンクが風見京子（富永沙織）からデータを盗んだかもしれないと考えている香坂（長谷川博己）は、詐欺や脱税、企業犯罪を担当している刑事部の捜査2課を動かすことは出来ないかと思案していた。

だが所長の三笠（春風亭昇太）の協力は得られそうにない。

香坂と三笠の話を聞いていた山田（岡田将生）は、それを小野田（香川照之）に報告。すると、その件は山田に任せると小野田が言い出す。

香坂が風見京子（富永沙織）が亡くなったビルを訪れると、渡部（安田顕）も来ていた。そこは、京子の元恋人で中田の息子・隆一が経営しているナカタエレクトロニクスのビルだ。

香坂が、やみくもに動くなと渡部に注意しているところに山田もやってきた。

香坂と渡部、そして山田は、ビルの防犯管理担当・菜穂（吉田羊）に、1か月前の映像を見せてほしいと頼んだ。

京子が亡くなった日は、社内にだれも残っていなかったという。

防犯カメラには、社長室などがある9階にエレベーターであがっていく京子の様子が映っていた。だがその先の映像はないという。

9階へは専用のエレベーターでのぼるようになっているが、限られた人間しか利用できない。不審者が近づくとカメラが察知するようになっている。セキュリティが万全なので防犯カメラは必要ないらしい。

香坂は、防犯カメラの映像のコピーと、出退勤記録を出してほしいと申し出る。

見直してみるが、やはり事件当日の夜は京子しかビルにいなかったことになっている。

香坂は山田に、捜査2課を動かしてほしいと頭を下げるが、断られてしまう。

タイマーをセットしようとした香坂はあることを思いつく。

菜穂のデスクに置かれた卓上カレンダーに書き込まれていた、27や30などという数字は、システムデータを保存した時間ではないかと考えたのだ。

簡易枕も置いてあったことから、遅くまで残業していたはずだと香坂は言う。

京子が亡くなった日にも30という数字が書き込まれていた。ということは、ビルには菜穂もいたということになる。

ある会社が過労死を隠蔽した疑いがあるということで労働基準監督署から呼び出されたと愚痴る中村（竜星涼）が、労基がリストアップしていたものの中に、ナカタエレクトロニクスの名前もあったと口にした。

それを聞いた香坂は、労基に頼んで出退勤記録を手に入れてほしいと命じる。

手に入れた書類から、京子が亡くなった当日の夜、ほかにもう一人会社にいたことが判明する。菜穂だった。

香坂は所長の三笠に、京子の死は事故ではなく殺人事件だと伝えるが、100％の証拠がなければだめだと突っぱねられる。

そこに山田がやってきた。香坂に捜査協力を命じると言い出した。

山田の話によると、ゴーンバンク社がナカタエレクトロニクスを中心として防犯システムに新規参入すると発表したことで株価が一気に上がった。

だが、その発表の前に一部の投資家たちが株を買い上げ、大幅な利益をあげていたことがわかったという。

その資料の名簿の中に、池沢菜穂の名前があった。

香坂は渡部と山田を連れて、ある病院を訪ねた。そこは、菜穂の息子が入院している病院だ。

香坂は菜穂を会社に連れて行き、京子を殺したの人ではないかと問い詰めた。

菜穂は元は風見エレックの社員だった。データを手に入れたい隆一は、京子と恋人になったがガードが固く、どうしてもデータを入手できなかった。

そのため、隆一は菜穂に近づき、子供の手術費用を出す代わりに、データを持ち出すよう指示した。

菜穂は隆一の言う通り、データを入手しそれを渡した。

そのことに気付いた京子を菜穂は屋上に呼び出し、殺害したのだろうと香坂は自分の推理を述べた。

ただの憶測で証拠がないと突っぱねる菜穂に、もう一度映像を見せてほしいと香坂は言う。

9階へのエレベーターを使用する場合、専用のIDカードをスキャンしいなければならない。

京子の映像を見てみると、スキャンしているように見えるが、IDカードがズボンの後ろポケットに入っているのがわかる。

ということは、ほかにIDカードをスキャンした人間がいたということになる。

科捜研が画像を調べたところ、その画像は加工されていたことが判明している。

そのことを突き付けられた菜穂は、真実を語りだした。

京子と話し合いをしようと思っていたが、データを返さなければ警察に話すと言われたという。だが突き飛ばしたのは菜穂ではないという。

誰が突き飛ばしたのかと香坂が尋ねる。菜穂が答える前に、弁護士と隆一がやってきた。菜穂はそのまま連れて行かれてしまった。

次の日、捜査1課が菜穂を逮捕し、菜穂は全部自分がやったことだと罪を認めた。

息子の手術費用やその後の生活費用をゴーンバンク社が持つということで身代わりになったのだ。