クライシス 第8話 あらすじ・レビュー

新興宗教団体『神の光教団』に潜入している林（眞島秀和）が妻の千種（石田ゆり子）を通じて、重大な情報を手に入れたと連絡してきた。それを聞いた田丸（西島秀俊）は林と会うことに…。

そこで林は、テロの情報を教える代わりにスパイを辞めたいと田丸に伝えた。テロの情報が本当かどうかわからないという田丸に、テロを阻止出来たら、自分と妻を保護して逃がしてほしいと頼み、事前に覚書をかわしてほしいと要求した。

田丸からそのことを聞かされた青沼（飯田基祐）は承諾し、田丸と千種の間に何も問題がないことを確認した。田丸は改めて、問題ないと答えた。

田丸は、覚書にサインをした千種に、これ以上林とコンタクトをとるのは危険だと言い、千種から情報を聞き出した。

テロの決行日は二日後。ターゲットは文部科学大臣だ。

特捜班に任せるという鍛治（長塚京三）に青沼は、相手の素性もわからず、自爆テロを目論んでいるため、大惨事になりかねないと忠告するが、情報がガセだった場合、おおげさにした分、田丸に大きな責任がのしかかると鍛治は言う。

決行予定日。特捜班は各自配置についた。

その後到着した大臣を離れたところから見守っていた田丸たちが、ある一人の男の存在に気付いた。二人はその男に近づいていく。

その男がバッグの中から何かを取り出そうとする仕草を見せた時、二人は男にとびかかり、大臣を退避させた。

田丸がバッグの中身を確認するが、それには何も入っていなかった。男は声をあげて笑う。罠だったのだ。

田丸は慌てて千種のもとへ向かった。最小限の荷物だけ用意するように言うと、自宅から避難させた。

そして、スパイだとバレた林は教団の信者に拘束された。

千種から夫がいなくなった場合、いつまでも守ってもらえますか？と聞かれた田丸は何も答えなかった。

青沼は田丸に、定期連絡が長期で途絶えた時に対処すると言う。すぐ救出するようなことはしないということだ。

その頃林は、信者から酷い暴行を受けていた。

田丸は稲見（小栗旬）に、林がスパイになったいきさつを話した。

林は父親が作った借金の保証人になっていて金に困っていた。そして美しい妻とも不仲だった。

林は当初、在家の信者だったが、田丸が近づき出家の信者として教団に潜り込ませた。

田丸は正しいことをしているのだと自分に言い聞かせていたが、その時の田丸は失点を回復しようと躍起になっていて、立場の弱い人間を利用することに罪悪感を持たないよう自分を騙していたという。

田丸はそこまで話した後、それは見栄えのいい言い訳だと自嘲するように笑うと、本当は、美しい妻に心を奪われたせいかもしれないと話した。

林がいなくなればいつか彼女の心が夫から離れ、自分に寄り添う時が来るはずだとと思って林を教団に送り込んだのかもしれないと言った。

林も自分もただの駒でしかないが、駒にだって意地があると言って、田丸は立ち去った。

田丸は千種に会いに行った。林がスパイであることを密告したのは千種だった。田丸はそれに気付いていた。

自分が千種を変えてしまったと田丸は自分を責めていた。

田丸は誰もいない特捜班へ行き、吉永（田中哲司）のデスクに退職届を置いて出て行った。

田丸は一人で神の光教団へ向かった。

足を踏み入れようとした時、稲見たちがやってきた。

「私たちチームでしょ？何をやるにも一緒じゃないと」大山（新木優子）が言う。

建物から信者が出てきた。樫井（野間口徹）がスイッチを押すと、建物のある場所が爆発した。

それをきっかけに、特捜班は林を救出するため、建物内に入った。

次から次へとやってくる信者たちを倒し、田丸と稲見が林がいるだろう場所へと向かう。

林がいる部屋へ入った田丸は急いで縄をほどいた。目を開けた林は田丸を見てほほ笑んだ。

田丸たちは林を抱えて今来た道を戻っていく。みんなで階段を降りていくと、そこには多くの信者が待っていた。

田丸と稲見が近づこうとした時、大きな物音が聞こえた。入ってきたのは特殊部隊だった。

その中から、青沼が姿を現し「今すぐそいつを連れてこっから消えろ。お前たちはここにはいなかったんだ。」と告げた。

礼を言う田丸に「本当はもっと早くにこうすべきだったんだ。お前たちのためじゃない」と青沼は返した。

神の光教団に強制捜査が入ったというニュースを見て鍛治は喜んだ。「お手柄だな。田丸の心情をよく読み切った」と青沼を褒める。

林と千種を2年ほど海外で生活させたあと日本に戻す予定だと聞かされた鍛治は日本へ戻すなと言った。

千種は田丸にとってのアキレス腱だと言い、田丸の目の届くところにおいておかないようにと鍛治は命じた。

千種に別れを告げた田丸は、二人で会っていた教会にいた。

そこに一人の男が現れ、話しかけてきた。