クライシス 第3話 あらすじ・レビュー

贈収賄事件に関与したとされる議員が、報道陣の前で襲われ射殺された。

その直後、“平成維新軍”は声明を出し、権力を利用して私腹を肥やす者たちを排除すると宣言した。

特捜班は犯人を特定し、テロを未然に防ぐために捜査を開始。

稲見（小栗旬）と田丸（西島秀俊）は、吉永（田中哲司）から命じられ、襲撃犯が使用していた銃の出どころを探る。

情報屋から、銃器マニアの暴力団組長が同じ型の拳銃を買い集めていたと聞かされる。

組長から事情を聴くと、保管していた拳銃は全て、息子・譲（大和孔太）に盗まれたという。後戻りできなくなる前に捕まってほしいと組長は言い、息子が少年院から出てきたら人が変わっていたと証言した。社会のシステムを変えてやるなどと言い出したらしく、共犯者の2人とも少年院で知り合ったのではないかという。

今回の犯人たちは誰かにそそのかされただけなのかもしれないと稲見は考えていた。外国では首謀者がわざと刑務所に入り、そこで駒を見つけることがあるという。

特捜班は、3人が潜伏していると思われる、組長が所有しているマンションへ向かった。

吉永、樫井（野間口徹）、大山（新木優子）がマンションの周囲を囲み、稲見と田丸が部屋のある階まであがった。すると、たまたま部屋から出てきた譲と鉢合わせた。譲は室内にいる二人に「逃げろ！」と叫び、稲見たちに銃口を向けた。

二人はベランダからマンションの外に出ると、吉永達が近づけないよう、銃を撃ちながら逃げてしまう。

逃げたのは、藤崎成一と藤崎誠二。兄弟だ。譲と同じ時期に特別少年院に入っていた。父親は5年前に、母親は3年前に亡くなっている。

5年前、与党政調会長をしていた黒須議員は、証券会社との不正取引に関与した疑いで起訴されそうになっていた。その矢先、関与したとされる秘書が自殺をして、事件に幕が引かれた。その秘書が藤崎兄弟の父親だった。

だが、最初の標的となったのは黒須ではなく、浜尾議員だ。過去の事件とつながらないと吉永が言うと、大山はデータを取り出した。

大山はハッカーだった頃、暇つぶしにこの事件を調べたことがあった。

情報を集めるうちに、利益を手にしていたのは、浜尾、黒須、有賀の3人だということが判明したという。

藤崎兄弟もこのことを知っていると考えられる。

今、有賀は野党の幹事長をしていて、黒須は1年前に選挙に落ちて政界から引退している。

吉永は、譲に「次のターゲットは有賀議員だな」と尋ねた。吉永は譲の表情から、次のターゲットが黒須だと確信した。

黒須は孫と遊園地に行っていた。特捜班も急いで現場へ向かう。

その道中、大山が過去のことを話し出した。大山は高校生の頃、ハッカー仲間と『Truth Troopers』というチームを組んでいた。

国家権力が絡んだ未解決事件などを自分たちの手で解決しようと考えていた。

だが、調べるほど深い闇が見えてきて、怖くなった大山はそのチームを抜けた。

維新軍は、そのチームが発展してできたものなのではないかと大山は言う。

仲間には会ったこともないというが、みんな明治維新の志士の名前を名乗っていたらしい。

吉永は目の前の事件に集中するよう忠告した。

藤崎兄弟は、黒須が一人になるのを待っていた。

孫がトイレへ行っている間、黒須は一人、ベンチに座った。藤崎兄弟は黒須の目の前に立つ。

稲見がそれを発見し、藤崎兄弟を取り押さえようと攻防を繰り広げる。その間に吉永が、黒須と孫を保護した。

逃げ場を失った藤崎兄弟は、稲見と田丸に銃を向けた。

稲見は銃をおろすよう二人を説得するが、事前に話し合っていたのか、藤崎兄弟はお互いに銃口を向けて引き金を引いて死んでしまった。

稲見がいつものバーで飲んでいると、議員の贈収賄事件で秘書が自殺したというニュースが流れる。