貴族探偵 第9話 あらすじ・レビュー

高徳愛香（武井咲）は、鼻形雷雨（生瀬勝久）と一緒に切子（井川遥）の遺体が発見された場所に花を手向けに行った。

そして鼻形はその近くにある喫茶店に後輩の警官を呼び出して、切子の事件の資料を持ってくるよう頼んだ。

鼻形はその喫茶店に、作家の大杉道雄（小市慢太郎）がいることに気付いた。大杉の妻で元女優・本宮真知子（高岡早紀）のファンである鼻形は、愛香が止めるのも聞かずにサインを求めに行く。だが、プライベートだからという理由で書いてはもらえなかった。

その時鼻形の携帯に山本（松重豊）から電話が入る。貴族探偵の愛犬、シュピーゲルが女性の他殺体を発見したと言う。

愛香たちがそのキャンプ場へ行くと貴族探偵の天幕が張られていた。貴族探偵は愛香に事件を解決していったらどうかと勧める。遺体の美しさに鼻形も驚く。

遺体には花の冠がかぶせられていて、現場にはグラスが二つあった。一緒にワインを飲んでいた相手が犯人か？

殺害されたのは真知子の妹・水橋佐和子（田中千絵）。夫の洋一（山中崇）、大杉夫妻、友人の堂島尚樹（中村俊介）とキャンプに来ていて殺害された。

死因は絞殺による窒息死。凶器は市販のロープで指紋はなく、DNAも検出されていない。

大杉道雄は11時頃、車で30分ほど離れたところにあるカフェへ一人で向かった。被害者と夫の洋一、堂島尚樹は珍しい蝶を探しに出かけていた。

だが12時頃、被害者とはぐれてしまい、残された二人は彼女を探していた。遺体が発見されたのは12時30分頃だ。

大杉真知子はずっとキャンプサイトにいたとほかの客が証言している。

被害者は殺害される前に、大杉道雄の小説に出てくる主人公のように花の冠をつけて最愛の人に殺されたいと話していたという。

両親をなくしてからは真知子が佐和子を音大にまで行かせ育ててきた。

貴族探偵が葉巻を吸おうとした時、真知子がとめた。真知子も夫の大杉道雄もタバコはダメなのだという。

大杉道雄の話によると、佐和子は以前、堂島尚樹と交際していたことがあったという。夫の洋一に確認すると、佐和子は自由奔放な性格で、常にほかに恋人がいる状態だったと証言した。最後は結局洋一のところに戻ってきていたというが、1か月ほど前に、永遠の愛を誓える運命の人を見つけたから離婚したいと言われたという。

洋一は堂島がその相手だと思っていた。

堂島も半年前まで付き合っていたことを認めた。だが別れる際、運命の人が見つかったと言って喜んでいたという。

堂島の洋服には緑のシミがついていた。それについて愛香が尋ねると、堂島が作ったスムージーのシミで、いたずらしたときにみんなにそれがかかってしまったらしい。

愛香がみんなの前で自分の推理を披露する。

被害者はワインを注いでいる時に殺害されたと思われる。犯人にもワインがかかっているはずだが、誰の洋服にもワインのシミはついていない。洋一と堂島の服にスムージーのシミがついていることから、二人は着替えていないことがわかる。ということは二人は犯人ではないということだ。

真知子と大杉道雄の服にはスムージーのシミがついていなかった。真知子はほかの客からの目撃情報で、ずっとキャンプサイトにいたことが証明されているため、犯人は大杉道雄ということになると愛香は言う。

大杉道雄は確かにカフェにいた。だがそのカフェで、大杉道雄がタバコを吸おうとしていたのを愛香は目撃していた。だが真知子の話によると夫婦ともどもタバコがダメだという。

このことから、カフェにいたのは偽物の大杉道雄だったのではないかと愛香は考えていた。

数年前、貴生川敦仁という男性が大杉道雄の名前をかたって無銭飲食をして逮捕されていたのだ。

愛香はカフェに行く途中で二人が入れ替わり、本物の大杉道雄が佐和子と会って殺害し、貴生川の洋服と交換して戻ってきたのではないかと考える。

カフェで鼻形がサインを求めた際、マジックと色紙に触れている。その後、戻ってきた本物の大杉道雄の指紋が違っているはずだと愛香は予想していたが、鑑識で調べてもらった結果、同一人物と断定された。

その後の推理は佐藤（滝藤賢一）が引き継いだ。

佐藤も大杉道雄が犯人だという。カフェにいたのもキャンプ場に戻ってきたのも本物の大杉道雄ではなく、偽物の貴生川敦仁だったのだ。

殺害後、大杉道雄は貴生川と入れ替わるはずだったが、共犯者が大杉を殺してしまった。共犯者は貴生川に、そのまま大杉のふりを続けるよう脅した。その共犯者とは真知子だった。

大杉道雄は佐和子と不倫関係になった。愛妻家として知られる大杉が不倫をしていたとなったら大変なことになる。

真知子は二人の関係に気付いていて、大杉に佐和子を殺害するよう命じたのだ。

最初は佐和子だけを殺害するつもりだったが、大杉が佐和子の遺体に花の冠をかぶせたことを知り、夫の心まで妹に奪われていたことに気付いた。

だから大杉の命も奪ったのだ。

鼻形の後輩が切子の資料を持ってきた。

単なる転落事故のはずなのに本庁から来た人間がその資料をまとめていったという。不思議な雰囲気の女性で名前は鈴木という人だったと後輩は証言した。

愛香は「喜多見切子はあなたが殺したんですね？政宗是正さん」と貴族探偵に直接尋ねた。