貴族探偵 第1話 あらすじ・レビュー

高徳愛香（武井咲）は、師匠と慕う喜多見切子（井川遥）の事務所で探偵をやっている。

愛香は事務所の大切なクライアント・玉村家の令嬢、依子（木南晴夏）から別荘で行われるパーティーに招待されていた。

愛香が到着すると、急きょ前日の夜からパーティーが行われていたと依子から聞かされる。

依子との会話の中で出てきた“鬼隠しの井戸”。その別荘の地下に、死体を投げ込むと消えてしまうという伝説のある古井戸があるという。

見たことがないという愛香を強引に案内する依子。

愛香は、血のようなものがついた足跡があることに気付く。井戸のある部屋に入ると無数の血の足跡があり、パーティー客の遺体が転がっていた。

愛香は警察を呼ぶよう依子に指示した。

まもなく、警部補の鼻形雷雨（生瀬勝久）と部下の常見（岡山天音）がやってきた。

被害者はIT関連企業の役員を務めている笹部恭介。

死亡推定時刻は、早朝。井戸の蓋のかんぬきに使われていた鉄の棒で、頭蓋骨に穴が開くほど殴られている。

鑑識の和泉（田中道子）は、5回も殴られていることから怨恨ではないかと推測する。

リビングに関係者が集められた。

警察が到着した時には別荘は内側から全て鍵が掛けられていた。内部の犯行だと鼻形は言う。

話をしている最中に、一人の男性が入ってきた。主の使いできたという執事の山本（松重豊）と名乗るその男は、そこにいた全員を移動式の簡易サルーンに招待した。

そこに一人の男性が現れた。その男は、今回の事件の謎を解決に来たと話す。

鼻形がその男に文句を言っていると、携帯電話が鳴った。本部長からだった。電話を切った鼻形はその男に頭を下げ、捜査への協力を求めた。本部長から、邪魔せず好きなようにさせるよう命じられたのだ。

愛香がその男に何者かと尋ねると、その男（相葉雅紀）は“貴族探偵”と名乗った。それを聞いた瞬間、愛香の顔色が変わった。

愛香は自己紹介をし、自分も今回の捜査に加わり、貴族探偵よりも先に事件を解決すると宣言。

面白がった貴族探偵は、鼻形に愛香も捜査に参加させるよう伝え、情報も共有するよう命じた。

現場を調べていた愛香は梁に新しい傷があるのを発見する。

そこに山本もやってきた。井戸を覗いた山本は、何かが落ちているのを見つける。

現場にもやってこない貴族探偵のことを愛香が怪しんでいると、依子たちを引き連れて歩いている貴族探偵を見かける。

あとをついていくと、倉庫に入って行った。

そこにあった釣り具を気に入った貴族探偵は、魚釣りに行こうと女性たちを誘う。

愛香は、事情聴取が残っているため、勝手に彼女たちを連れ出すなと釘をさす。

依子たちは再び集められ、鼻形から事情聴取を受けることに。

依子の話によると、依子がお昼ぐらいに別荘に着き、被害者の笹部が夕方やってきたという。夜の8時に残りのメンバーが到着。

パーティーが始まっても、笹部は一人だけテンションが低かったという。先に寝ると言い残し、笹部は一人で寝室へ戻って行った。

アリバイがないことを指摘されたメンバーは、内輪でもめだした。

横井は、笹部の元カノの千明を疑う。千明は、笹部と別れたあともしつこく言い寄られていたためだ。

畦野は、笹部と共同で会社を経営していた横井と朱美を疑う。仕事のことでもめていたらしい。横井の右腕の骨折は、笹部ともめた時に負ったケガだと話した。

朱美は千秋と現在付き合っている畦野が一番怪しいと反論。

話を聞いていた山本が、明け方、別荘でも停電はあったかと質問をした。

朱美が千明と話している時、電気が消えたと証言した。10分程度続いたという。

その時、依子があることを思い出した。朝の7時頃、水を飲みに来た時、井戸の方からジリジリジリジリという音が聞こえたという。

その後、貴族探偵が依子と知り合いで、前日一緒にテニスをしていたことが発覚する。

事件があった時間のアリバイを尋ねるが、貴族探偵は誤魔化して答えようとしない。

常見が、井戸の中に落ちていた小さな金属が依子のコートのボタンだったと鼻形に報告。

そのボタンがいつ取れたのか本人に確認すると、昨日まではついていたが今朝はとれていたと証言した。

愛香は、誰かがボタンを盗んだのかもしれないと言う。

誰かが部屋に侵入してボタンを盗むことが出来たとしたら依子がシャワーを浴びていた7時から8時の間。愛香が改めて確認したが、その後は誰も部屋には入っていないと依子は話した。

愛香は電話をしてくるといって席を外し、こっそり依子の部屋に侵入した。そしてあるものを発見する。

関係者が集められ、そこで愛香の推理が披露されることとなった。

鼻形は依子を疑うが、愛香はすぐにそれを否定した。

依子の身長では、凶器を振り回しても天井の梁には手が届かないからだ。少なくとも犯人の身長は165cm以上はあると愛香は言う。

愛香は貴族探偵が犯人だと断言した。依子の部屋に紋章のついた葉巻の吸い殻が残っていたのだ。

依子の部屋へ行った時にボタンを盗んだのだと指摘する。ワインを取りにキッチンへ行ったが殺害する時間などなかったと依子が言うと、貴族探偵はキッチンにある勝手口のカギを開けただけで、犯行を行ったのは使用人たちだと愛香は自分の考えを話し出した。

笹部を殺害した理由については、今回もこれまでの事件も全て、自分で事件を作って自分で解決して名声を高めてきたのではないかと述べた。

貴族探偵は愛香の推理を笑い、今すぐ事件を解決すると言った。

そして執事の山本が推理を披露した出したため、愛香は驚き、なぜ自分で推理しないのだと貴族探偵に詰め寄る。

すると貴族探偵は「推理などと言う雑事は使用人に任せておけばいいんですよ」と言ってのけた。

山本は、依子のボタンを盗んだのは被害者の笹部だと話す。

笹部が殺害計画を立てていた。そのために笹部はボタンを盗んで依子に捜査の目が行くようにしていた。

だが、殺そうとしていた相手からの反撃で自分が死んでしまった。

笹部を殺害した犯人は、謝って自分の持ち物を井戸の中に落としてしまった。そして犯行直後に停電が起きた。

犯人は壁をつたって出口へ向かった。犯人は停電復旧後、井戸に落としてしまったものを拾うため、再び犯行現場へやってきた。そして、壁に沿って足跡が残っていることに気付いた。犯行の特定時刻をごまかすため、その後、わざと部屋全体に足跡をつけたのだ。

落し物を取るため、フライフィッシングの釣竿を使った。朝7時頃、井戸から聞こえてきた『ジリジリジリ』という音はリールを巻く音だったのだ。

畦野は、パーティ時には眼鏡をしていたのに今はしていない。殺害時、畦野が井戸に落としたのは眼鏡だったのだろうと田中が推測する。

畦野は否認し、横井も怪しいと反論するが、釣竿がしまってあった倉庫はさびており、右腕を骨折している横井には開けられないと山本は否定した。

襲われたから反撃しただけだと畦野は弁解したが、殺意がなければ頭蓋骨が陥没するほど殴らないと貴族探偵は指摘する。

帰ろうとしている貴族探偵の車をとめ、推理をしないのに探偵と名乗るのは許せないと愛香が言うと、事件を解決できないのは探偵じゃないと貴族探偵も反論し帰って行った。