貴族探偵 第3話 あらすじ・レビュー

喜多見切子探偵事務所に、一人の女子高生・垂水遥（橋本環奈）がやってくる。

高徳愛香（武井咲）は、元気のない遥を気遣いながら話を聞き「私は絶対にあなたを見捨てないから」と声をかける。

1週間前、ある廃倉庫で女性の遺体が発見された。その遺体からは、頭部と腕が切り取られていた。その後、現場から数キロ離れた河川敷で、頭部と腕を埋めている男が目撃される。

その男は、遥が通う高校の教師・浜村康介（内野謙太）。実は、遥は浜村と結婚を前提とした交際をしていた。被害者の宇和島逸子が二人の関係を写真におさめ、浜村をゆすっていたという。

殺害動機もあることから浜村は逮捕されてしまう。この事件によって、二人の関係が明るみになり、遥も周囲から白い目で見られるようになってしまった。

遥は浜村の無実を信じていて、愛香を頼ってきたのだ。

愛香は遥と一緒に現場へ向かう。遥を残し、一人で倉庫の様子を見て回り、戻ってくると遥の姿がない。

周囲を探すと、遥は貴族探偵の犬と遊んでいた。貴族探偵は狩りに行った帰り道、この事件現場を通りかかって寄り道をしたのだと執事の山本（松重豊）が説明する。

貴族探偵も捜査を開始。

愛香は貴族探偵と鼻形雷雨（生瀬勝久）と一緒に、浜村が拘留されている警察署へ向かい、浜村から事情を聴く。

浜村の家の玄関の前に頭部と腕が入れられた段ボールが置かれていた。疑われるのが怖くて河川敷に埋めようとしたという。

被害者の死亡時刻、浜村はテストの採点をしていてアリバイを証明してくれる人はいない。

宇和島から脅迫されていたことはほかには誰も知らないと浜村は話す。

死亡推定時刻は、午後2時から6時。午後3時から4時までは美容院へ行っていて、午後5時には和菓子屋で買い物をしている。財布にはそれらのレシートが入っていた。

宇和島が殺害されたのは、和菓子屋を出たあとの5時から6時ということになる。

その夜、宇和島の夫が帰宅すると部屋には荒らされた形跡があり、警察に通報。

愛香と鼻形は宇和島の自宅を訪れ、夫の政人から話を聞く。

政人はボクサーで、被害者はパートをし、家計を支えてくれていたという。

最後に会ったのは殺害された日の早朝。政人は朝に撮ったという動画を二人に見せた。それには眠っている被害者の頬にキスをする政人の姿が映っていた。

夕方4時までバイトをし、その後、東京へ向かい、6時からは仲間が出るボクシングの試合を後楽園で見ていたと話す。

愛香は、政人の足にある痣が気になっていた。

和菓子屋の店主・番場周治は、5時くらいに宇和島のような女性が買い物に来たと証言した。宇和島と面識はないが、彼女がしていた大きい指輪を覚えているという。

それは遺体から切り離された腕の指についていたバラの指輪だ。

次に愛香たちは、宇和島が訪れたという美容室へ。

小関仁美は、3時から1時間ほどいたと証言した。事件当日の4時にそこへ回覧板を持ってきたという近所の女性も、確かに彼女がここにいたと証言した。

その女性もバラの指輪をしていたと話した。

事件当日、3時から5時まで雨が降っていたことも判明する。

愛香は犯人がわかったと鼻形に告げる。

集められた関係者の前で愛香が推理を披露する。

愛香は、夫の政人が犯人だと考えていた。家事全般を政人がしていて、暴力も振るわれていたのではないかと指摘。政人はアリバイがあると反論する。

事件現場には、遺体を切断した時に飛び散った血が窓ガラスについていた。血がついてていたのは片方の窓だけだったことから、もう片方の窓は開いていたのだと愛香は話す。

もし窓が開いていたら窓の外にも血がついているはずなのに血痕はなかった。愛香は、雨で血痕が流されたのだと話し、3時から5時の間に殺されたのだと説明。

和菓子屋にきたのは被害者ではなく、別の女性だった。美容室を出た4時直後に殺害すれば、東京でのボクシングの試合を観ることは可能だ。

政人が朝から撮ったという動画は、実は殺害後で、首だけを持ってきて眠っているように見せかけたのではないかと政人を問いただす。

政人は否定し、あの動画には続きがあるとそれを愛香たちに見せた。それには、キスをされて目を覚ました被害者が、政人を殴ったりけったりする様子もおさめられていた。

政人は、妻から暴力を振るわれるのが喜びだったと語った。

次に貴族探偵も推理を披露した。

美容室の小関仁美が犯人だと断言。被害者から脅されていた小関は廃倉庫に彼女を呼び出し殺害。頭部と腕を切り離したのは、被害者がその時間にまだ生きていたように見せかけるためだった。

バッグに入れて持ち帰った頭部と腕をマネキンにとりつけた。回覧板を持ってきた女性はその姿を見て、その時間にはまだ被害者が生きていたように証言した。

その後は、浜村に罪をかぶせるために家の前に放置した。小関仁美は3年間もゆすられ続けていたと話し、殺害を認めた。

真相にたどり着けなかったことで落ち込む愛香に、遥は感謝の言葉を口にした。