警視庁捜査一課9係 第6話 あらすじ・レビュー

ある公園の池で、ペットショップオーナー・真奈美（山本南伊）の遺体が発見された。死因は絞殺だった。

志保（羽田美智子）たちは鑑識の猪狩（伊東四朗）と一緒に真奈美の自宅を訪れた。部屋に入る前に猪狩がドアの指紋を調べると拭き取られたようで指紋が一つも残っていなかった。このことから、自宅で殺害されたのではないかと猪狩は考える。

部屋にはたくさんのブランド品があり、かなり裕福な暮らしをしていたように思える。

解剖の結果、死亡推定時刻は前日の夜9時から11時の間、ひも状のもので首を絞められたことがわかった。

防犯カメラを確認すると、真奈美が8時過ぎに帰宅する姿が映っていた。やはり自宅で殺害されたと思われる。

だがなぜ犯人は、死体をわざわざ池に遺棄したのか…。

青柳（吹越満）と矢沢（田口浩正）がその後の防犯カメラを確認するが、マンションの住人しか映っていなかった。

だがこのマンションの非常階段に設置されているカメラはダミーのため、犯人は階段を利用して出入りしたのかもしれない。

そのことはマンションの住人なら誰でも知っている。

マンションの名義は真奈美ではなく佐野山電器だった。

ブログなどからも、真奈美は佐野山電器の社長の愛人であることがわかる。

志保と村瀬（津田寛治）は早速佐野山電器を訪れ話を聞くことにした。

社長の話によると、真奈美に別れを切り出すと、マンションの居住権を主張してきてもめていたという。

金遣いが荒い真奈美を見限り、総務の宇野（朝倉伸二）と経理の津村（青山勝）に別れるための交渉を任せていたらしい。

マンションは一応社宅ということになっているが、真奈美の生活費や旅行代も会社の経費になっていて、ペットショップの開業資金も社長が出していた。

部課長クラスは全員ペットを買わされていた。

真奈美はマンションを立ち退く代わりに慰謝料を払えと迫っていたようだ。

直樹（井ノ原快彦）はペットショップを訪れた。

店員の佳奈子（せんだるか）によると、真奈美はペットの餌をけちったりしていたようで、スタッフからもあまりよく思われていないようだった。

真奈美の口座を調べると、ペットショップの収入以外に、毎月、佐野山電器から30万ほど振り込まれていたことがわかった。

青柳は重要参考人として経理の津村を引っ張ってきた。防犯カメラに、真奈美と腕を組んでマンションに入っていく姿が映っていたのだ。

部屋に入って2時間出てこなかったこともあるんだと青柳達は主張するが、社長の別れ話を任されていたと聞いている志保たちはそれを否定し、証拠もないのにこれ以上引き留められないとそのまま帰宅させることに。

妻の燎子（松本紀保）も安堵する。

青柳は猪狩に、もう一度真奈美が遺棄されていた現場を徹底的に捜索してほしいと頼んだ。その結果、現場付近から、スーツケースのキャスターが見つかった。

真奈美も同じブランドのスーツケースを持っていた。だが部屋にはなかった。犯人が持ち去ったのだろう。

キャスターには、人間の毛髪とトイプードルの毛が付着していた。津村の愛犬もトイプードルだ。

DNA鑑定の結果、津村の髪の毛であることが判明する。

津村の取り調べが始まった。

津村は社長との別れ話を一人で担当することになった。ある日、部屋を訪れた津村は真奈美に迫られ関係を持ってしまった。

会社のお金を無断で真奈美に渡すようになった。やめたいというと「私に死ねというの？」と脅迫してきた。

本当に死ぬとは思っていなかったと津村は言い、彼女は自殺だったと証言した。

真奈美が死亡した日「すぐにこなかったら死んでやる」というメールが届き、心配になった津村は様子を見に行った。するとすでに彼女は亡くなっていたという。

彼女との関係が公になると横領していたことがバレてしまうと考え、スーツケースに彼女の遺体を入れ、どこかの山奥にでも捨てようと思って運んでいる途中、キャスターが壊れてしまった。そのため、すぐ近くの池に遺棄したのだと説明した。

だが、真澄（原沙知絵）は自殺ではなく他殺だと断言する。猪狩もほかに真犯人がいるのではないかという。

キャスターについていた毛が津村の愛犬のトイプードル・デイジーの毛髪と一致したと聞いた直樹は、ペットショップを訪れた際、トリミングに来ていたこと思い出す。

直樹は津村の妻・燎子に会いに行った。

津村が遺体を運んだのはデイジーがトリミングする前の日の晩。それなのにキャスターについていた犬の毛の先は鋭くとがっていた。直樹はその矛盾を指摘した。

燎子は真奈美を殺害して津村に罪を着せようとしたことを認めた。

20年連れ添っていたが、子供は出来なかった。そんな中、津村が犬を飼ってきてくれた。それからは犬中心の生活になったという。

だが、その後、津村が真奈美と浮気していることに気付いた燎子は、真奈美の部屋を訪ね、別れてほしいと頼んだ。

燎子は悪びれもせず、それどころか、ストッキングを再利用しモップとして使っていることなどをバカにしてきた。

自分が履いていたストッキングを脱ぐとそれを燎子に投げつけ「あんたみたいな女はおとなしく家の掃除と犬の世話でもしてればいいのよ」と言ってきた。

思わずそのストッキングで燎子の首をしめて殺害してしまった。

その後、真奈美の携帯から津村にメールを入れ、自殺したように見せかけ、指紋も拭き取って部屋を出た。

津村はすぐにやってきて、スーツケースに遺体を入れて出てきた。

燎子は壊れたキャスターを持ち帰り、津村の髪の毛を巻き付けた。

まさかデイジーの毛までついてしまったとは思わず、そのまま現場付近に投げやった。