警視庁捜査一課9係 第5話 あらすじ・レビュー

ファッション通販サイト会社社長・影山（石田佳央）が胸部を刺されて殺害された。

凶器となったのは左利き用の裁ちばさみ。

志保（羽田美智子）と村瀬（津田寛治）は、専務の本橋（加藤虎ノ介）から、影山が女性社員と不倫騒動を起こしていたと聞かされる。

当時付き合っていた留未という社員は別れ話を苦に自殺したという。

凶器の裁ちばさみから、チーフデザイナー・詩織（万里紗）の指紋が検出されるが、直樹（井ノ原快彦）が確認すると、2日前に盗まれたと詩織は答えた。

事件があった時間は、自宅で仕事をしていて、証言してくれる人はいないという。

自殺した留未は、詩織の母・結子（根岸季衣）が経営する洋裁店に勤めていたことが判明する。

影山の会社に留未を紹介したのも結子だった。詩織とは10年以上連絡を取っていないと結子は話した。

詩織に影山が言い寄っているところを広報部長の彩音（真瀬樹里）が目撃していたことがわかる。

詩織に母親の結子について直樹が話を聞く。

結子はかつて、ファッションブランドの縫製の仕事をしていた。常に忙しく働いていて、詩織はほとんど母親と過ごした記憶がないという。

父は詩織の世話をしながら母親を応援していたが、ある日ガンが見つかって亡くなってしまった。仕事をしていた結子は父の死に目に間に合わなかった。詩織はそんな母親のことが許せなかったようだ。

納期のことで影山と木崎佳枝がもめていたと聞かされた青柳達は話を聞きに行くが木崎はそれを否定した。

詩織に手を出したら許さないと冗談で言っていたと話す。

木崎は詩織の母・結子と服飾学校で同期だったらしい。昔は同じファッションブランドで仕事をしていて詩織のことも生まれた時から知っていると話した。

3日前に詩織に会った時、手に包帯を巻いているのを見て、留未のことを思い出し心配になったとも話した。そのことを結子にも伝えたという。

事件当夜のホテルの防犯カメラに結子がうつっていたため、家宅捜索することになった。

その結果、殺害現場にあったワンピースの刺繍と同じものが施されたワンピースが見つかった。

詩織のサンプル品なんじゃないかと青柳は尋ねる。だが結子は何も答えない。

そのワンピースに施された二つの花の刺繍のうち、一つは結子が施した刺繍なのではないかと考えた直樹は、その刺繍を写真におさめ、静香（野際陽子）のもとを訪ねた。

詩織が刺繍したものと思われる花はバーベナという花で、もう一つの花はハハコグサではないかと静香は言う。

ハハコグサには、母親が子供を思う「無償の愛」という花言葉があると言う。

その刺繍を見た俊介（中村俊介）は、その色を褒め、刺繍にも油絵のような下塗りがされているのだろうかと疑問を口にした。

油絵は発色を良くするため、あるいは深みを出すために下塗りをするのだという。それを聞いた直樹はあることを思いつく。

直樹は、結子が持ち帰ったワンピースには何かがついていて、それを隠すために刺繍をして隠したのではないかと考えていた。

真澄（原沙知絵）が、刺繍あとに血液反応があったと知らせに来た。だが被害者、結子、詩織のものとは一致しなかった。

影山を殺害したのは広報部長の彩音だった。彩音は広報部長になる前チーフデザイナーとして影山を支えていた。そして二人は恋人関係にあった。

だが1年前に詩織が来てから、彩音は広報部長になり、詩織がチーフデザイナーになった。

影山が詩織に好意を持っていることを知っていた彩音に、本橋専務は、影山にとって彩音は過去の女だと囁き、これからは二人でこの会社をやっていこうと、影山の殺害を指示した。

本橋専務から詩織の裁ちばさみを渡された彩音は、ホテルにいる影山を訪ねて殺害した。

本橋は、粉飾決裁が影山にバレて刑事告訴されそうになった。

会社のためにやったんだと主張する本橋を村瀬は否定し、自分の身を守るためにやっただけだろうと指摘した。

結子は詩織のことを心配し、ホテルにいる影山を訪ねた。その時はすでに殺害されたあとで、ワンピースについている血を見て、詩織のものかもしれないと思い、持ち帰って血痕を刺繍で隠そうとした。そのことを直樹は詩織に伝えた。

詩織がワンピースに刺繍したバーベナの花言葉は「家族愛」だった。

結子と詩織は10年以上ぶりに顔を合わせ、関係が修復された。