カインとアベル 第8話 あらすじ・レビュー

優（山田涼介）は仕事への意欲が増していた。

梓（倉科カナ）は、仕事を選ぶか、家庭に入るかで悩んでいたが、隆一（桐谷健太）との結婚、つまり家庭を選ぶことを決め、上司の団（木下ほうか）に退社を申し出る。

隆一は、貴行（高嶋政伸）と優との距離が近づくことが気に入らない。

黒沢（竹中直人）との食事の席で、そのことをつかれて否定できない。

だが黒沢は優は危うさも持っていると指摘する。

隆一が帰宅すると梓が来ていた。

披露宴の進捗状況を気にして貴行が呼び出していたのだ。そこへ優も帰ってきた。

貴行から梓の退社を聞いた優の様子が変わる。

それが本心ではないだろうと梓に迫るが、梓は自分が望んだことだと伝える。

翌日、梓の件でいらだっていた優は、社員としては先輩の安藤（西村元貴）を怒鳴りつけてしまう。

自己嫌悪に陥る優を慰めたのはひかり(山崎紘菜)だった。

高田総合地所で地方空港の開発プロジェクトの件が持ち上がる。

優は参入を進めるが、隆一は慎重だった。

優と貴行が仕事上で親密になるほど、隆一は二人の会話が気になって仕方なくなる。

そして隆一の焦燥感はあらぬ方向へ向かっていく。

優（山田涼介）はリゾート共同開発のプレゼンを成功させ、取締役に就任した。

貴行（高嶋政伸）やほかの役員たちからも優が一目置かれるようになったことで、隆一（桐谷健太）はますます焦りを感じる。

黒沢（竹中直人）は隆一を食事に誘った。

隆一の焦りを指摘し、このままでは貴行と優がますます近くなると言い、面白い話があると持ち掛ける。

隆一が自宅へ戻ると梓（倉科カナ）が来ており、貴行と一緒に披露宴の席次を決めていた。

お祝いに何か欲しいものはないかと聞かれた隆一は、貴行と同じ万年筆が欲しいと口にした。

そこに優が帰ってきた。貴行が家庭に入ると決めた梓に礼を言うと、優の顔色が変わった。梓が悩んでいることを知っているからだ。

本当にそれでいいのかと思わず口にする優に、梓は自分からそうしたいと決めたことだと言い、隆一の手を取った。

それでも引き下がらない優に梓が「優くん、何か勘違いしてるんじゃない？」というと、ようやく優は引き下がり、自分の部屋へ戻って行った。

翌日出勤した優はイライラした気持ちを引きずっていて、社員としては先輩である安藤（西村元貴）を怒鳴りつけてしまう。

優が社長室へ入っていくところを隆一が目にする。気になった隆一は社長室の近くをうろつく。

貴行は隆一に気付かず、優と食事へ出かける。

秘書にまで声をかけ、何の話をしていたのかと聞き出そうとしたり、家政婦に二人がどこへ行っているのかを聞き出そうとしたり、優と貴行の行動が気になって仕方ない。

父と優が悪く、自分は悪くないと言い聞かせるようにつぶやくと、ネットで購入した盗聴器を手にして副社長室を出て行った。

向かったのは、社長室と取締室だった。優の部屋に置いてある観葉植物に盗聴器を仕掛ける。

優は会社へ戻り、あるところへ電話を掛けた。それを隆一が聞いていた。

空港事業への参入で、隆一と優は意見がわかれていた。

強気に攻めたほうがいいと言う優に対し、隆一は慎重になって時期を見るほうがいいと言う考えだ。

出勤した優は、自分の部屋に自転車の部品が転がっていたためそれを直した。

その時に、隣に置かれた観葉植物の葉が散っているのに気付き、盗聴器を発見する。

優は貴行に、友人の話として「トラブルを引き起こそうとしている人間がいる」と相談し、そういう時はどうしたらいいのかと意見を聞く。

貴之は優の質問に「何も迷うことはないと伝えなさい。会社を守ることが一番大事なことだから、会社の不利益になるのであれば、すぐに解任すべき。」と伝えた。

それは血縁者であっても同じことだと貴行は答えた。

優は同僚から役員になって変わってしまったと噂されていた。

以前とは違い、近寄りがたい雰囲気になってしまっていた。

そんな優を梓はランチに連れ出した。優が以前担当していたイタリアンレストランだ。

その頃の優は自由で熱意が伝わったから契約してもらえたんだと思うという梓に、あの頃はダメダメだった。今ならもっとスマートにスピーディーに進められると優は話す。

優を心配した梓は、宗一郎（寺尾聡）に相談した。

宗一郎は仕事には人を虜にする魔力があると言う。

魔力に取り込まれると友人を忘れたり、家族を捨て、全てを犠牲にして仕事に全てを注ぎ込んでしまう。

宗一郎の場合は、大切なこと(家族)を思い出し、ギリギリのところで踏みとどまったと話した。

役員会議に出席した優は、副社長解任の緊急動議を提案した。

今の副社長は業務を続けられる状態ではないと話し、仕掛けられていた盗聴器を取り出した。

社長室、優の役員室、フロアの数か所に取り付けられていたと説明する優に、隆一は怒り出す。

「防犯カメラに映ってることさえ気づいてないじゃないですか！」優は少し悲しそうな顔をしながら指摘した。

会議を終えた貴行は、2日後に控えた結婚式のことだけを考えろと隆一に伝えた。

「僕にがっかりしましたか？」そう聞く隆一に対し、「お前の育て方…間違えたかもしれん。」と貴行は口にした。

隆一を解任したことについて話を聞きたかった梓は優を待っていた。

誰に指示されたわけでもなく、自分で考えてやった。高田の不利益になるなら、身内だろうが切り捨てなければならないと話す優に、ほかの人にはない魅力を持っている人だと思っていたが間違いだった。どこにでもいる優秀なサラリーマンだと梓は涙を流しながら評した。

帰ろうとする梓を後ろから抱きしめ、傍にいてほしいと伝える優に、梓は「明後日あなたのお兄さんと結婚するの」と言い残し、その場を後にした。

貴之は自宅へ戻ってきた優に「お前は間違っていない。自分を責める必要はない」と話した。

優は涙を流し、頷いた。

優がアポを取りたがっていた人物と、移動時間だけだが会えることになった。

だがその日は隆一の結婚式がある。心配する秘書に、隆一の結婚式はキャンセルすると伝えた。

結婚式当日。隆一が現れない。

貴之が梓に、挙式を中止したことを伝え、頭を深く下げて謝罪した。

梓が教会にあるカインとアベルのステンドグラスを見ながら涙を流していた時、隆一は披露宴会場で同じように涙していた。