カインとアベル 第1話 あらすじ・レビュー

山田涼介演じる高田優（たかだ ゆう）は、父である貴行（高嶋政伸）が社長をしている会社に勤めている。

優には隆一（桐谷健太）という兄がいるが、隆一は優秀で会社の副社長をしている。

一社員として働いている優は、優秀な兄と比較され冷ややかな目で見られている。

ある日、優が勤める父の会社である「高田総合地所株式会社」の創立50周年記念パーティーが開かれていた。

優はパーティーには出席せず別の場所で一人で飲んでいた。

そこである女性に出会いその女性と飲んでいたが、社員に発見され会場に連れ戻された。

父であり社長の貴行の期待は兄の隆一に集中していて、会社の重要な案件に優が意見を求められることは一切ない。

兄の隆一は優の仕事を裏からフォローしているが、優は素直に受け取れない。

ある日、優はアウトレットモール開発のプロジェクトチームの一員に選ばれた。

兄の根回しだと感じ取っている優は、浮かない表情でプロジェクトルームに行く。

そこで、パーティーの時に会った女性・矢作梓（倉科カナ）と再会する。

梓は、高田総合地所の支社で働いていた社員で、本社に異動してきていた。

梓は、チームのメンバーとして消極的な優を励ます。

優はこの大きなプロジェクトに取り組むことになるのだが…。

「高田総合地所株式会社」の創立50周年記念パーティーが行われていた。

社長・貴行（高嶋政伸）の次男である高田優（山田涼介）の姿が見えない。社員達と長男で副社長の隆一（桐谷健太）が探しに行く。

遅れて到着した優は、父親のところには顔を見せずに、シャンパンを手にくつろげる場所を探していた。

優も一社員として貴行の会社で働いているが、何かと優秀な兄と比較され、社員たちからも冷たい目で見られている。

優が人気のなくなったところでシャンパンの栓を抜くと、近くにいた女性にそれがかかってしまう。

優がシャンパンをかけてしまった女性とベンチに座り、一緒にシャンパンを飲んでいると、社員が優を呼びに来た。

その頃隆一は、父親の知り合いのお嬢さんを紹介され挨拶をしていた。

会場に連れ戻された優は、貴行のスピーチを聞きながら幼少の頃を思い出していた。

父の期待はずっと長男の隆一にだけ向けられてきた。

入社してからも、会社の重要な案件に優が意見を求められることなどない。

帰宅した優は貴行から、挨拶にも来なかったと責められ、「私や隆一の足を引っ張るようなことはするな」と言われ謝罪する優。

隆一はそんな優を気遣って「気にするな。父さんには俺からも謝っておくから」と慰める。

翌日、土地の買い上げで、優が担当している地主が急に土地は売らないと言い出した。会いに行っても、売らないの一点張りで取り付く島もない。

会社へ戻った優が上司から叱られている時、1本の電話が入る。

優が担当している地主が土地を売ってもいいと言い出したらしい。裏で兄の隆一が動いてフォローしたようだ。

仕事ができないと思われている優が、アウトレットモール開発のチームの一員に選ばれた。隆一が優を推したらしい。

優がプロジェクトルームへ行くと、そこにはパーティの時に会った女性もいた。

その女性は矢作梓（倉科カナ）。この会社の社員だったのだ。横浜支社から異動してきたばかりなのだという。

自分がチームに入っても兄の足を引っ張るだけだと消極的なことばかり口にする優を梓は励ました。

アウトレット戦略の一つとしてグルメエリアの充実を図ることになった。

今までどこのアウトレットにも出店していない名店を迎え入れてコンペを戦うことに。

優が担当することになったのはマッシモッタヴィオ。イタリアンの名店だ。

何度も店を訪ねて交渉するが、いい返事は得られない。

交渉が難航していると知った隆一は、支度金を用意するなど条件面での駆け引きも大切なことだとアドバイスするが、相手は職人だから金では動かないと優は聞き入れない。

初めて交渉に訪れた際、マッシモッタヴィオの店主から「金（が問題なわけ）じゃない」と言われていたからだ。

ある日、候補にあがっていたイタリアンの名店が出店を承諾したという知らせが入る。隆一が支度金を用意し、承諾させたのだ。

貴行から進捗状況を聞かれた隆一が、優が契約を成立させるのは難しいかもしれないというと「本当にそう思うか？」と貴行がつぶやいた。

優はその後何度も足を運び交渉を続けていたが、ある日、支度金を用意すれば考えてもいいと言われ愕然とする。

上司である団衛（木下ほうか）にその旨を報告し、50万の支度金を用意してもらえることになった。

早速それを店主に提示するが、少なすぎるという理由で承諾してもらえなかった。

店を出る際、優は「何か変えましたか？1号店で食べたピザの味と違うような気がして…」と言い残して店をあとにした。

優が会社に戻ると梓だけが残って仕事をしていた。

プロジェクトチームを抜けようと思っていると梓に告げると、最後まで頑張らないで諦めるのか？と言われる。

その言葉を聞いて、優はもう一度頑張ってみることに。

優は、図面だけじゃイメージがわかないと言っていた店主のために、ジオラマを作りだす。梓も手伝い、二人は徹夜でそれを完成させる。

早速マッシモッタヴィオにそれを持っていくが、店主からライバル会社と契約することにしたと言われ、追い返されてしまう。

結局優が契約を結べないままコンペの日を迎える。

何とかライバル会社には勝利するが、優は自ら志願してチームを離れていた。

梓は優の部署まで行き、優を連れ出した。そこで、マッシモッタヴィオの店主にジオラマの写真を見せに行ったと告げる。どうしても優の気持ちを知ってほしかったのだという。

優のヒントのおかげで担当していたお店を口説き落とすことが出来たとお礼を言うと、マッシモッタヴィオの店主が会いたがってたから訪ねてみたら？と言い残し去って行った。

マッシモッタヴィオを訪ねると、店主が1枚のピザを出してくれた。優はそれを食べ「おいしい」とつぶやく。

トマトソースのレシピを昔のものに戻したのだという。

最近はコストのことばかり考えていたと反省ともとれるような言葉を口にし「お前のところのアウトレットに出店する」と言ってくれた。

これがきっかけで、優はまたプロジェクトチームに戻ることになった。仕事の楽しさを感じ始めた優。

隆一は梓の部屋にいた。二人は恋人同士なのだ。

隆一に「今度父に会ってもらいたい」と言われた梓は嬉しそうに頷く。