カインとアベル 第5話 あらすじ・レビュー

隆一（桐谷健太）が手掛けているプロジェクトに黒沢（竹中直人）が出資してくれたのは優（山田涼介）の口利きがあったからだと梓（倉科カナ）に聞かされ、自宅へ戻った隆一は優を殴ってしまう。

優がなぜ黒沢に出資を頼んだのか、隆一はわかっていなかった。

貴行（高嶋政伸）は隆一のプロジェクトに出資をしたのが黒沢だと知る。

桃子（南果歩）からフィアンセだと紹介された時、金目当てではないのかと疑っていただけにすっきりしない。

だが、宗一郎（寺尾聡）には、隆一の判断は正しかったと報告した。

隆一は、貴行には優が関係していることは話さなかった。

優は梓から、全て話したと聞かされ、優を殴ったのもそのせいだと謝られる。

優は特に気にしていない様子だったが、梓は優のしたことを誰かに知ってほしかったと訴えた。

桃子が貴行を訪ねてきた。

貴行は、黒沢の出資には納得できていないが、隆一のやったことは正しかったと言い、桃子にも礼を述べる。

そこで桃子から、黒沢に認められ出資を取り付けたのは隆一ではなく優だと聞かされる。

貴行は、帰宅した優に出資の件について尋ねた。

余計なことをしたと謝る優に、なぜ怪しい黒沢に頼んだのかと貴行が聞くと、リスクを背負ってでもやらなければならない時だと思ったと優は答えた。

翌日優は、貴行から社長室に呼び出される。

そこで貴行は、クライアントとの食事に同行するよう優に求める。

優（山田涼介）が殴られた翌朝、隆一（桐谷健太）と顔を合わせるが二人の間に会話はない。

宗一郎（寺尾聡）が社長室を訪ねてきた。バンコクの件を心配する宗一郎に、隆一が一人で解決したから問題ないと伝える。

「リスクを恐れず、自由に発想する姿勢こそが将来高田の成長や安定につながる」と宗一郎はアドバイスするが、社員やその家族を守るために堅実な跡取りを育ててきたんだと貴行（高嶋政伸）は反論する。

「これだけは言っておく。リスクを避け続ける経営者には未来はない」と宗一郎が断言したところに隆一が入ってきた。

宗一郎は「なぜ黒沢に出資を頼んだのか？その決め手はなんだ？」と尋ねる。

「リスクを避けるにはどうしたらいいか考えました。その点で黒沢かと…」隆一は答えた。

優のけがを見た梓は私のせいだと自分を責める。

黒沢へ出資を頼んだのが優だということを話してしまったからだと謝った。

「何も知らずに浮かれている彼が悲しく見えた」と梓は言う。

隆一のためだけじゃなく、優の頑張りを誰も知らないのが許せなかったとも付け加えた。

その夜、梓の自宅へ来た隆一は先日の件を謝った。

そして次の休みにどこかへ行こうと約束する。

桃子（南果歩）にお礼を言いながらも、黒沢（竹中直人）のことを信じない貴行に、出資を取り付けたのは隆一ではなく優だと桃子が事実を話した。

黒沢が出資をしたのは高田のためでも隆一のためでもない。優という男に出資したんだと聞かされ驚く貴行。

貴行は、帰宅した優に事実を確かめた。

「余計なことをしてすみませんでした」と謝る優に、黒沢のことを怪しいとは思わなかったのか？と尋ねる。

「怪しいとは思ったけど、ほかに100億作る方法はありましたか？今しかない。今リスクを背負わなきゃバンコクの事業は成功しない。100億あれば兄貴は戻ってくる。兄貴がいなきゃ、高田に未来はありません。」と答えた。

貴行は宗一郎の言葉を思い出していた。

仕事中、社長室に呼ばれた優は、会食に付き合うよう命じられる。

優を見た貴行はスーツにダメ出しをすると、買い物に連れて行く。

貴行がスーツだけじゃなくネクタイも選んでくれた。

隆一は梓に電話をし、ウエディングパーティーの候補にしている店へ行こうと食事に誘う。

隆一が会社を出ようとした時、貴行と優に出くわす。

優を会食につき合わせると聞いた隆一は誰と会うのか尋ねるが貴行は「たいした相手じゃない」と詳しくは話さず優と車に乗り込んだ。

待ち合わせをしていた梓と会ってからも、隆一は優のことが気になっていた。

優が出席した会食は終始和やかに楽しい雰囲気ですすんでいった。

会食が終わり「このリゾート開発プロジェクトは優に任せようと思う」と貴行に言われ、優は驚く。

貴行から「期待してるぞ」と声をかけられた優は驚きながらも嬉しい気持ちでいっぱいになる。

役員たちが集まって会議をしている時、貴行が国内の新規事業である高級リゾート開発についてを話し始めた。

責任者について話が及んだ時、貴行が声をかけ、優が入ってきた。

髪の毛を黒く染めた優は、役員たちの前で堂々と挨拶をする。

当然自分が任されるものだと思っていた隆一は動揺を隠しきれない。

納得がいかない隆一は貴行のあとを追いかけ、優には荷が重すぎると言い、自分がやると申し出る。

「お前は仕事をやり過ぎだ」と貴行は言うが、それでも隆一は、優を試したいなら自分が面倒を見ると必死で食い下がる。

「このプロジェクトは優に任せる！」と一蹴され、バンコクの事業に集中するよう言われる。

プロジェクトチームの人選も任された優は、梓を誘う。

「諦めない姿勢を尊敬している」と言い、「手伝ってほしいというよりいてほしい。いてくれると成功する気がしてくる」と言われた梓は「一生分褒められてるみたい」と喜んで引き受けた。

5課の安藤（西村元貴）や三沢（戸塚純貴）も加わり、プロジェクトがスタートした。

休日の早朝出かける優に貴行が声をかけた。

時間が全然足りないと嬉しそうに言い、会社へ出かけて行った。

その後ろ姿を貴行は温かく見守る。

優が仕事をしている頃、梓は隆一と教会にいた。

そこで隆一は、家を守ってほしいから仕事は辞めてほしいと切り出した。

辞令も出たばかりだからという梓に、あのプロジェクトは将来性も不透明だし、優が任されるにはまだ早すぎるとむきになる隆一。

仕事をやめたくない梓とプロジェクトチームから外れてほしい隆一はケンカになる。

「プロジェクトチームから外れたくないのは、家庭に入りたくないからなのか、優と一緒にいたいからなのか？」と詰め寄る。

梓は悲しそうな表情を浮かべるだけだった。

梓が会社へ行くと優が一人で仕事をしていた。

涙を浮かべその後ろ姿を眺めていると優が梓に気付いて驚く。

仕事への熱意を語る優を梓は後ろから抱きしめた。