相棒12-あらすじ・レビュー(第8話)テレビ朝日系列12月4日放送


【第8話】
ネタバレ注意

第8話 あらすじ 12月4日 午後9時~放送(テレビ朝日系)

右京(水谷豊)は、峯秋(石坂浩二)から小百合(大谷英子)という若い女性を紹介される。母の遺品から20年前に自殺した文豪・夏河郷士(野崎海太郎)が書いたと思われる創作ノートを発見したという。

それを読んだ小百合は、もしかしたら、夏河の死は自殺ではなく、小百合の父が殺したのではないかという疑いを持った。

小百合の父は、夏河の屋敷の管理人をしており、20年前に失踪したまま消息不明らしい。峯秋はそうは思わないらしいが、本人が気にしている以上少し調べて欲しいと右京に頼んだ。

右京が、峯秋と小百合の関係を聞くと、父親の失踪後、母親の就職先を世話してくれたり、小百合の学費の援助をしてくれたりしていた恩人だと小百合は答えた。

その件についての話をしていると、第五課長の角田(山西惇)が、小百合が峯秋の隠し子なんじゃないかと言い出した。

峯秋の息子の亨(成宮寛貴)を右京が気にしていると、「もっと言っても構わない」と亨はいい、特命係となんだと思っているんだと、峯秋のことで愚痴り始める。
殺人の可能性があるならと、調べ始める右京。

米沢(六角精児)にノートを見せた所、書かれてから20年は経っているという。筆跡鑑定もしたいと米沢は言うが、出版社の話によると、夏河はワープロで執筆をしており、直筆の原稿は残っていないのだという。

右京はノートに挟まっていたメモを出し、小百合の父親が夏河の屋敷の管理人兼雑用係をしていたことを告げ、買い物リストではないかと言った。それを見た米沢は同じ人物の筆跡だと思うと答えた。

小百合の言う通り、ノートには殺人をほのめかすような記載があったという右京。亨は、小説の創作ノートだとすれば、どんな内容が書かれていたとしても不思議はないのではないかと言った。

それを聞いた米沢は、そうとはいえないと、夏河の小説の特徴について語りだした。夏河は、自分が体験したことしか書かない、かなり偏狭な作風で知られている作家だという。

自殺未遂をしたことに関して書く時に、自ら自殺未遂をし救急搬送されたこともあったと右京が言った。

日常の体験や感じたことを創作ノートに書き溜めて、それを元に小説を書き、完成したらそのノートは全て焼却していたらしい。自分が殺される小説を書く前に本当に殺されてしまったからノートが残っていたのかもしれないと亨は言った。

右京は享と一緒に、夏河が住んでいた慈朝庵と呼ばれている大豪邸を訪ねる。当時、その屋敷は「サロン慈朝庵」と呼ばれ、各界の著名人が集まってパーティなどが開かれていたという。

夏河の死後は、夏河と付き合いのあった江花須磨子(岩下志麻)という女性がその屋敷を買い取っていた。

須磨子は、20年前に主人をなくしたあと、江花基金という慈善団体を創設し、数十億円という遺産のほとんどを女性や子ども達のために寄付をした。日本有数の篤志家だという。表舞台にはほとんど顔を出さないことから、最後の淑女と呼ばれていると右京は亨に説明した。

須磨子に、小百合の父の矢嶋について聞いてみたが、覚えていないという。

須磨子に寝室を見せてもらった二人。夏河が寝室で、首をつって死んでいるのを発見したのは編集者だった。夏河の死んだ時期、矢嶋が失踪してしまったため、遺体の発見が遅れ、死因や正確な死亡日時も特定できなかったのではないかと右京は推測した。

自殺だと判断されたのではないかと須磨子に言われ、右京は、亨にノートの一部分を読ませた。

「私はあの男の罪を告発するつもりだ。そしてあの男は私の決意に既に気づいている。だとすれば私を殺しに来るに違いない。その思いが心に宿ってから、私の肌は常にあの男の殺意を敏感に感じ取っている。あの男なら毒を盛ることも、私を突き落とすことも簡単だ。」

もしこれが事実に基づいて書かれたものであるならば、他殺の状況証拠となると右京は説明した。

矢嶋が犯人であるとは明記されていないが、編集者も締め出したこの屋敷に入れたのは、管理人の矢嶋くらいしかいなかったと考えるのが自然だと亨は言った。

ほかにこの屋敷に入れたであろう人物について須磨子に聞くが、夏河に恨みを持つ人間などいなかったと答えた。

書斎には夏河の写真がたくさん飾られていた。夏河がテニスをしていたと須磨子に聞いた右京は、ノートのある一文を思い出した。

「思い出す。10月の始めあの男とペアを組んだ。私の些細なミスであの男が怪我をした。」

その時に誰がペアを組んだか須磨子に聞くと、管理人の矢嶋だったような気がするという。

「私は迷う。自らの知った事実を公表すべきか。明らかにすれば傷つくものがいる。だからと言って罪は罪であり許されるべきではない。あの男の罪は例えるならホトトギスの罪だ」

創作ノートの中には何度かオトトスギが登場する。「あの男」を揶揄するような表現で使われていた。

二人がホトトギスについて話していると、突然須磨子が「あの声で蜥蜴食らうかホトトギス」と句を読んだ。ホトトギスと聞いてこの句を思い出したという。
それを聞いた右京は何か閃いたようで、亨に調べて欲しいことがあると言い出した。

亨は芹沢(山中崇史)に電話をし、矢嶋房夫の犯歴照会して欲しいと頼んだ。
右京の推測通り、矢嶋には前科があった。22歳の時、飲み屋のケンカに巻き込まれ、客の一人を殴り死亡させていた。

傷害致死で懲役4年の判決を受けたが、模範囚として短い刑期で出所した。出所後に結婚し、この慈朝庵の管理人になったと須磨子にも伝えた。

創作ノートにある「あの男」というのが矢嶋だとしたら、この事実を暴露しようとした夏河を矢嶋が殺害する動機にはなると右京が言った。

もしも誰かが夏河を自殺に見せかけて殺したのだとしたら、どうやって遺体を持ち上げたのか…。右京は実験をすることにした。
亨が持ち上げてみるが上がらない。

右京は寝室に入った瞬間違和感を感じたといい、その違和感は絵にあったと話した。遺体が吊られていた場所の目の前に大きな絵があるが、そこにそれほど大きな絵を飾ることは不自然で、別の場所の方が適しているといい、その別の場所の壁に、焼けていない部分を見つけた右京は、もともとはそこにあった絵をある理由があって動かしたのではないかと考えた。

そこで亨と二人で大きな絵を動かしてみると、そこにはかなり大きいフックがつけられていた。そこにロープを通し、遺体に見立てたものを持ち上げてみると簡単に持ち上がった。
これで偽装殺人の可能性が出てきた。

右京は一つの推理をした。
夏河は、自分の経験に基づく小説しか書かない作家だった。その夏河が矢嶋の前科を知り、その時の心情や苦悩を聞いて小説にしようと思ったが、矢嶋がそれを拒否した。

そこで、前科を隠して慈朝庵の管理人の職に就いたことを叱責された、もしくは、そのことを家族などにバラすと脅されて、矢嶋が殺したのかもしれない。

右京のその推理を聞いた須磨子は、もし犯人が矢嶋だったとしてももう時効が過ぎていると指摘。

そして、時効が過ぎているのなら、矢嶋が犯した過去の犯罪も、もしかしたら夏河を手にかけたかもしれないということも、小百合さんには関係ないのではと須磨子が言った。
その瞬間、右京と亨が反応した。矢嶋の娘の名前を知っていたからだ。

右京は初めから、須磨子が矢嶋とも小百合とも知己があったと思っていた。
最初は、協力できることがあるとは思えないと言っていた須磨子が、創作ノートを見つけたのが矢嶋の娘だと聞くと、右京たちに協力を申し出てくれたからだった。

須磨子が話し出した。
小さい頃の小百合は天使のようで、夫を亡くしたばかりの須磨子をとても癒してくれる存在だったという。それは須磨子だけじゃなく、ほかのサロンの会員の癒しの存在でもあった。

その話を聞いた亨は、甲斐峯秋もここのサロンの会員だったのではないかと須磨子に聞いた。右京が亨は甲斐峯秋の息子であることを伝えると、須磨子がその事実を認めた。

そして二人に、矢嶋の過去や夏河殺しについても、小百合には伝えたないで欲しいと頭を下げた。

小百合に事実を告げるのかと亨から聞かれた右京は、小百合がずっと父親に会いたいと思っていたこと、こういう依頼をすれば父親と会えるかもしれないと思って依頼してきたのではないかと話した。

事実を話すべきだと判断した二人は、小百合に全てを伝えるために勤務先を訪れた。

矢嶋が隠し事をしていたようだと告げると、小百合は傷害致死で服役をしていた事実を知っていた。小百合だけじゃなく、母親はもちろん、夏河もサロンに来ていた人たちにも、矢嶋は包み隠さず話していたという。

右京と亨は慌てて須磨子の屋敷に戻り、矢嶋の前科は周知の事実だったと須磨子に告げた。そして創作ノートの矛盾点を指摘した上で、「あの男」というのが夏河のことで、「私」というのが須磨子だったのではないかと伝えた。

ノートの文字と、須磨子の部屋にあったカレンダーの文字の癖が一緒だった。
夏河の創作ノートに挟まれていたメモと、ノートの文字が同じだったため、夏河だと思い込んでいたが、テニスでケガをさせてしまった須磨子が、罪悪感を感じ、夏河の代わりに、矢嶋へ頼む買い物メモを書いたのだった。

「あの男の罪は例えるならホトトギスの罪だ」と書いた須磨子には、ホトトギスの罪という真意がわかっていたはずなのに、あえて「あの声で蜥蜴食らうかホトトギス」という句を読み、矢嶋の前科のことだと思わせるように誘導した。

前科のある矢嶋を雇った見返りにと、矢嶋の妻に強引に関係を迫っていたことを知った須磨子。

夏河は、矢嶋のような男の子孫を残すより、自分のような優秀な男の子孫を残したほうが世の中のためだと自慢気に言ったのだという。小百合は矢嶋の娘ではなく、夏河と血のつながりのある子供だったのだ。

それを聞いて絶対に許せないと須磨子は思った。
そして自分が夏河を殺したことを認めた。

夏河から、須磨子が告発をしようとしていることはお見通しだと言われた時、なぜそんなにひどいことをしたのかと詰め寄る須磨子に、最初に矢嶋の嫁に手を出したのはあんたの亭主だよ。

管理人をやめさせられたくなかったら言うことを聞けといえば言いなりに出来ると教えてくれたと言われ、かっとなって首を絞めて殺した。

自殺の偽装を手伝ったのが矢嶋だった。
矢嶋は小百合に関する事実も知っていたが、知らないふりをしていたのだ。自首をするという須磨子を止めたのも矢嶋だった。

須磨子が自首をすれば、小百合にも真実が知れてしまう。それを避けるために、偽装工作をしたのだ。

ここであったことは生涯、絶対に口にしないから、妻と子供を守ってやって欲しいと須磨子に言い残し、矢嶋は姿を消した。

峯秋に似たまっすぐな目で亨に見られたから真実を話さなくてはと思えたのかもしれないと須磨子は言うと、サロンに来る人間は俗物の集まりだったけれど、あなたのお父様だけは違った。唯一信頼できる人だったと伝えた。

小百合たちを援助し続けたのは須磨子で、峯秋は名前を貸していただけだった。

亡くなった夫の遺産のほとんどを、女性や子ども達のために寄付したのは、亡くなった夫、そしてサロンにいた男たちへの須磨子の復讐だったと言った。

須磨子の後姿を見送りながら、復讐だけであれだけの慈善事業をやれるとは思えないと右京は呟いた。

車で来ていた峯秋の姿に気づいた須磨子と亨は、それぞれ頭を下げた。

前の回へ総合ページへ次の回へ

レビュー(感想)

今回の事件もまた、気持ちが悪い内容でした。あんな最低な人間、ああなって自業自得だと思ってしまいました。

逆に、岩下志麻さん演じる須磨子さんが、たとえ時効は過ぎているとは言え、事情聴取されてしまうのかと思うとなんだか複雑です。

すべてのことは小百合さんは知らないほうがいいと思います。自分の本当の父親があんなに気持ちの悪い人間だとわかればショックを受けるでしょうし、母親が受けた酷い仕打ちを知ったら胸を痛めるでしょうし…。傷つくことが多すぎますね。

事件を扱うドラマなので仕方ないことですが、なんだか毎回どんよりした気持ちになってしまいます…。

2013年 秋ドラマ(10月スタート)リスト

タイトル系列放送局
9時海の上の診療所フジ系列
9時ミス・パイロットフジ系列
10時陰陽屋へようこそフジ系列
9時相棒12テレ朝系列
10時ダンダリン日テレ系列
10時リーガルハイフジ系列
9時夫のカノジョTBS系列
9時Docter-X テレ朝系列
10時独身貴族フジ系列
10時クロコーチTBS系列
9時東京バンドワゴン日テレ系列
9時安堂ロイドTBS系列

2014年 秋ドラマ

Information menu

ページのトップへ戻る